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都心部から徳島へのUターン・Iターン転職の際の年収変化・暮らしについて

こんにちは。四国の転職エージェント、リージェントの植村です。
今回は徳島へのUターン・Iターンを検討している方に向け、都市部から転職した際の年収変化や暮らしについてお話させていただきます。

データから見る年収の変化

以下は、これまで私たちが転職支援をさせていただき、都心部から徳島へのUターン・Iターンされた方の年収の変化のグラフです。私たちがお手伝いさせていただくことの多い、30・40代の方のデータをまとめています。



グラフ左側「転職前」の平均年収は603万円、右側「転職後」の平均年収は443万円と、約27%減という結果になりました。

厚生労働省「賃金構造基本統計調査(令和3年)」によると、都道府県別で最も賃金が高い東京都の平均月収364,200円に対して、徳島県は269,700円(比較すると約26%減)となっており、弊社のデータとほぼ相違ないことが見て取れます。

しかしながら、徳島へ実際にUターン・Iターンされた方からは「確かに年収は下がったけれど、これまで帰省の度に発生していた移動費や宿泊費がかからなくなったことに加えて、毎月の生活費も抑えることができるため、手元に残るお金はさほど変わらない」という声も聞かれます。

具体的に生活費はどのように変わるのか、出費の大部分を占める「家賃相場」について統計情報からご説明します。

徳島県の家賃相場

全国平均・東京都・徳島県の家賃相場を並べると、以下のようになります。

【都道府県別の家賃】

都道府県 1か月当たり 1畳当たり
全国平均 55,695円 3,074円 
東京都 81,001円  5,128円
徳島県 41,719円 2,114円

参照:総務省統計局「平成30年住宅・土地統計調査」借家の1か月当たり家賃・間代及び1畳当たり家賃・間代

東京の家賃相場が「81,001円」に対して徳島は「41,719円」となっており、約半分の家賃となっています。また、1畳当たりで見ると4割程の値段となっており、家賃にかかる支出はかなり抑えられることが窺えます。

徳島での通勤は自家用車が主流となっており、1世帯当たり1台以上自家用車を保有していると言われていますが、住宅エリアでは月5,000円/台程度で駐車場も借りられるため、駐車場代含めて家賃を考えたとしても都市部よりは圧倒的に低くなります。この点が「手元に残るお金にあまり差はない」と思う最も大きな要因といえるのではないでしょうか。

徳島県の移住支援制度・助成金

また、家賃が下がるだけではなく、移住に対する支援制度や助成金も用意されています。以下に支援制度や助成金の一部をご紹介します。

①「移住支援金」
東京23区の在住者・通勤者が徳島県で就職・起業する場合、引っ越し等にかかる費用100万円(単身世帯は60万円)が支給されます(令和3年4月1日より、支給のための移住元要件に通学期間も加算対象になりました)。また、18歳未満の世帯員を帯同する場合は、一人につき最大100万円が加算されますが、こちらは移住先の市町村により要件が異なりますので、各市町村へお問い合わせください。
<参照>:住んでみんで徳島で!「徳島わくわく移住支援事業」

②「徳島移住促進支援金 [子育て世帯向け]」
徳島県では、子育て世帯で本県に移住する方向けに「移住支援金」「定住応援金」という新しい支援金が創設されました。支給要件詳細は徳島県のHPをご覧いただければと思いますが、未就学児がいる子育て世帯の方が徳島県に移住した場合、移住支援金として一世帯につき10万円が支給され、更に2年間定住すれば定住応援金として同じく一世帯につき10万円が支給されます。
<参照>:住んでみんで徳島で!「みんなでリスタート!」

③ その他、市区町村別の支援事業
その他各市町村別にも独自の支援制度が設けられています。中には就農支援として、年間最大150万円(最長3年間)を交付する自治体もあるようです。また、「とくしまで住み隊」会員に登録すると、「とくしま移住サポート企業」からサービス特典の「おもてなし」を受けることができます。ぜひ「おもてなし」内容をHPでご覧いただき、体験ください。
<参照>:住んでみんで徳島で!「移住支援」

では次に、子育て世帯へのサポート体制についても見ていきましょう。

徳島県の子育てサポート

実は私、生まれも育ちも徳島県。就職を機に香川で暮らし始めましたが、その後結婚を経て第一子を授かった際、出産予定日が12月だった私に産婦人科の先生がおっしゃったのは、「地域によっては産婦人科が少ないから、夏前に里帰り出産の予定地域へ連絡しときなさい」でした。

不安になり、「徳島で産む予定です」と答えると、真剣だった先生の顔がほころび、「なら心配いらんね。予約を急がなくてもどこでも産めるよ」と言われ、徳島の産婦人科事情を初めて知り驚いたことを今でも覚えています。

私が出産したのは10年も前ですが、実は今でも徳島県は、産婦人科専門医数は人口10万人あたり66.3人で全国1位と、妊婦さんが安心して過ごせる地域です。また、同じく医師数も人口10万人あたり338.4人で全国1位であることに加え、「子どもはぐくみ医療費助成制度」として、ほとんどの自治体が高校卒業までの医療費助成を行っていることから、親が子どもを気軽に医療機関へ連れていくことができる環境が整っています。

※参照:令和2年医師・歯科医師・薬剤師統計



その他、子育て世帯が気になる情報をまとめた「UIターン前に知りたい徳島の暮らし【子育て編】」も執筆していますので、よろしければ合わせてご覧ください。医療費の制度など詳しい内容は以下サイト等でもご覧いただけます。各市町村のHPには独自のサポート内容等も掲載されていますので、比較検討の際にご参考いただければと思います。

<参照>:令和5年度子どもはぐくみ医療費市町村制度の概要
<参照>:とくしまはぐくみネット

変化し続ける徳島県

徳島県は、地上デジタル放送への完全移行をきっかけに、平成14年から22年にかけて「全県CATV網構想」を推進し、近畿等県外の放送を安定的に視聴できる環境の整備を実現、また高速で大容量、しかも常時接続が可能というブロードバンド環境の整備にも成功しました。

中でも神山町は、平成16年に四国で初めて町内全域に光ファイバーを整備したことをきっかけに、それまでの「何もない田舎町」というイメージが変わり始めています。

2010年、IT系のベンチャー企業がサテライトオフィスを開設、そして様々な企業が神山に集まるようになり、以後「とくしまサテライトオフィス・プロジェクト」が本格的にスタート、全国でもブームが巻き起こりました。今や県内のサテライトオフィスは神山町だけでなく、美馬市・三好市などにも広がり、令和2年度末時点で開設数は全国2位の77か所となっています。

そして現在も、東京や大阪で企業と自治体のマッチングイベント開催を計画するなど、地域活性化や新たなサービスの創出のための取り組みが続けられています。

<参照>:総務省 地方公共団体が誘致又は関与したサテライトオフィスの開設状況調査結果
<参照>:徳島サテライトオフィス

また神山町は、2023年4月に開校した「神山まるごと高専」でも日本各地から大きな注目を集めています。この高専、発起人は2010年に神山で初めてサテライトオフィスを開設されたSansan株式会社の代表取締役社長寺田氏を始めとする3名で、起業家が創る前例のない全く新しい高専です。

目指す人物像は「モノをつくる力で、コトを起こす人」。「神山から未来のシリコンバレーを作る」というコンセプトに共感した優秀な若者が全国から集まることで、この地でどんな化学反応が生まれ、どんな新しい未来が創造されてゆくのか、徳島の未来にワクワクを感じているのはきっと私だけではないはずです。



徳島へのUターン・Iターンを考えているけれど、ご自身のキャリアが活かせる場所があるかどうか心配されている方、またUターン・Iターンはまだ考えてないけれど、徳島での可能性を聞いてみたい方は、ぜひ弊社コンサルタントから情報収集ください。「阿波踊り」だけではない徳島を、多くの方に知ってもらえたら幸いです。