豊かな産業と暮らしが息づく「小豆島」の魅力
こんにちは。四国の転職エージェント、リージェントの小野です。
今回は、小豆島の産業や暮らしの魅力をご紹介したいと思います。今後、 小豆島への移住を考えている方の参考になれば幸いです。
小豆島について
瀬戸内海に浮かぶ小豆島は、香川県に属する人口約2万5千人(2025年4月時点)の島です。小豆島町、土庄町の2町からなり、面積は約170㎢と国内で19番目の広さがあります。
島全体が瀬戸内海国立公園の一部に指定されており、国内外から年間約100万人が訪れる観光地でもあります。年間を通じて開催されるイベントやアートプロジェクトによって観光者が増え、それが新たなビジネス機会や雇用の創出につながるなど、地域経済を支える大きな柱となっています。
「島 = 不便で閉鎖的」というイメージを持たれる方もいらっしゃるかもしれませんが、小豆島は外からの人や情報を積極的に受け入れながら発展してきた島です。島内には都市圏からU・Iターンした方も多く、島外から来た人を歓迎する風土が根付いています。

主要産業
「日本の地中海」と称される温暖で雨の少ない気候を活かし、農業・食品加工業・観光業を主軸に多彩な産業が発展しています。
特に、明治時代の1917年に日本で初めて産業化に成功したオリーブ栽培は全国的にも有名です。現在では、オリーブオイルをはじめとした加工製品が島の特産品として高い人気を誇り、さらにオリーブ牛などの新たな地域ブランドの創出も進められています。
また、古くから続く醤油醸造業は400年の歴史を持ち、島内の醤油蔵では今も昔ながらの木桶仕込みが行われています。加えて、佃煮、手延べそうめん、ごま油なども、小豆島の代表的な伝統産業として根付いています。
近年ではこれらの農産物と食品加工技術を活かし、生産・加工・販売を一体化した6次産業化も広がりを見せており、付加価値創出に積極的に取り組んでいます。
観光業との連携も強く、産業そのものが「訪れて体感できるコンテンツ」として発展している点も小豆島ならではの特徴です。自然豊かな暮らしの中で、伝統や技術を引き継ぎながら、新しい視点で挑戦できる環境が整っていることは、小豆島の産業の大きな魅力といえます。

島へのアクセス
小豆島へのアクセスは、本州や四国から複数のルートがあり、フェリーや高速艇を利用すればスムーズに往来できます。
まず、四国方面からは高松港から小豆島行きのフェリーが1日に何本も運航しており、所要時間は約60分、高速艇であれば約35分と、あっという間に到着できます。本州方面からもアクセスは良好で、岡山県・新岡山港からは約70分、兵庫県・姫路港からは約100分で小豆島に渡ることができます。
島内には空港こそありませんが、高松空港から港へのアクセスがスムーズなため、東京などの遠方からでも半日もあれば十分に到着できます。また、「フェリーに車を乗せて、そのまま島内でドライブ」といったこともできるため、引っ越しの際の荷物の運搬や、帰省時の移動も心配いりません。
このようにアクセスが良好なおかげで、離島でありながら物資の行き来はとても活発です。私も何度か訪れたことがありますが、アクセスで不便を感じたことはありません。

生活インフラの充実
地方への移住を検討する際、「生活に必要なインフラは揃っているのか?」という不安はつきものです。
その点、小豆島は日常生活のインフラがしっかり整った島です。
小豆島内にはスーパーマーケットが複数あり、食料品や日用品の買い出しに困ることはありません。コンビニも6店舗ほど営業しており、夜間の急な買い出しも問題ありません。また、島ならではの直売所で新鮮な野菜や魚介類を購入する楽しみもあります。
島内には総合病院(小豆島中央病院)や各種クリニックがあり、急病や持病の診察にも対応できます。万一、島で対応できない高度な医療が必要になった場合でも、高松市内の病院へドクターヘリで30分(空路10分)と、緊急時の搬送体制も確立されています。
その他、図書館・郵便局といった公共施設、子育て支援・防災・環境管理などの行政サービス、通信インフラは本土と変わらない水準であり、長く安心して暮らせる環境が整っています。

住まいの環境
小豆島への移住を検討する際、住まいの確保は大きな課題の一つとなります。特に賃貸物件の数が限られているため、空き家バンクの活用や自治体の住宅支援制度を上手く利用することが重要です。
一般的な賃貸物件の情報はインターネット上に掲載されていないことも多く、現地の不動産や知人を通じて探す必要があります。また、空きが出るとすぐに埋まってしまうので、比較検討するのも難しいです。
そのため、多くの方は小豆島町と土庄町がそれぞれ運営している「空き家バンク」を利用しています。ただし、掲載されている物件の中には修繕が必要な物件も多いため、内覧時には設備や内装をよく確認することが大切です。
行政からの補助金としては、賃貸の場合、家賃の半額(上限2万円)を2年間、初期費用の半額(上限6万円)を1回限り補助する制度があり、空き家のリフォームについては上限を100万円とする補助金制度があります。いずれも利用には条件があるため、小豆島町・土庄町の公式サイトでしっかりと詳細を確認してください。
参考:小豆島町「移住・定住支援サイト」、土庄町「島移住ナビ」
また、単身者向けの住まいとして、NPO法人トティエが運営する「うえむらシェアハウス」もあります。共用スペースが充実しており、移住後のコミュニティづくりにも役立ちます。家賃は月額24,000円からで、共益費や駐車場代が別途必要です。入居には条件や審査があるため、詳細はトティエの公式サイトでご確認ください。
Totie「うえむらシェアハウス」

子育て環境
小豆島は自然豊かで、子育てしやすい環境が整った地域です。
島で育つ子どもたちは、海や山といった自然の中でのびのびと遊び、貝殻拾いや海水浴、昆虫採集など、都会では得がたい体験を日常的に楽しんでいます。島全体がコミュニティのような一体感があり、大人たちが子どもを地域ぐるみで見守る文化が根付いているのも小豆島の良いところです。
教育施設も充実しており、保育園・幼稚園・こども園から高校まで、成長に応じた環境が揃っています。各地区に小中学校があり、少人数のアットホームな校風の中で学ぶことができます。高校は2017年に統合された小豆島中央高校があり、全日制と定時制を備えています。
ただし、大学や専門学校は島内にないため、高校卒業後は島外に進学するケースが一般的です。

豊かな自然、地域の温かさ、多彩な産業で培われた活気、そして想像以上に整った生活インフラ。小豆島には、家族みんなが心地よく暮らせる要素が詰まっています。
島での新生活には不安もあるかもしれませんが、事前に情報を集め、しっかり準備をしていけばハードルは決して高くありません。まずは一度、ご家族で現地を訪れてみてください。きっと、暮らしのイメージが具体的に湧いてくるはずです。
ぜひ、小豆島で豊かで幸せな暮らしを叶えてみてください。