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転職を希望される方が最後にぶつかる“心の揺れ”。カウンターオファーとは?

こんにちは。四国へのUIターンを支援する転職エージェント、リージェントの加地です。
今回は「最近、すごく増えているな…」と感じていることについてブログを書いてみました。

・自身や配偶者の出身地に移住したい
・暮らしと仕事のバランスを見直したい
・もっと人とのつながりを感じながら働きたい

などなど。そうした思いから、勇気を持ってUIターン転職を決意された方々にとって、転職活動の終盤に思いがけず心を大きく揺さぶられる局面が訪れることがあります。

それが「カウンターオファー」です。

カウンターオファーって何?

カウンターオファーとは、転職を希望される方が会社に退職を申し出た際に、企業側が昇給・昇進・異動など、より良い条件を提示して引き留めようとする行為のことです。特にここ数年、人手不足が叫ばれる中で、実績のある「コア人財」を流出させたくないと考える企業側の動きが強まっています。

地方での暮らしや働き方に想いを馳せ、時間をかけて内省し「今の自分にとって何が大事なのか?」を見つめ直したからこそ、新しい一歩を踏み出そうとしているUIターン転職希望者の方々。

そんなタイミングで、「今よりも給料を上げるから残ってほしい」「希望のポジションを用意するから考え直してくれないか」など、そんな魅力的な言葉をもらうと、「こんなに自分のことを必要としてくれているんだ」「これだけの条件を提示してくれるなら、もう少し頑張ってみようかな」といったように、気持ちが揺らいでしまうのは自然なことだと思います。



カウンターオファーは“目の前にぶら下がったニンジン”なのか、それとも“課題解決要因”か?

カウンターオファーを受けた際は、「その内容が転職を決意した理由を解決するものか」、冷静に見極めることが大切です。

・ライフスタイルを変えたい
・家族との時間をもっと大切にしたい
・地域に根差した仕事がしたい

などなど。こうした“価値観”に基づく転職理由は、お金や役職では埋まらないケースが多いものです。

目先の条件に心が惹かれても、それが転職理由の本質的な課題解決に繋がるのか、改めて見直してみることが大事です。カウンターオファーの条件が転職理由そのものを解消するものであれば、残るという選択はアリですが、そうでなければ後悔が残ってしまう可能性もあります。

実際、カウンターオファーを受けて現職に残った方々が「モヤモヤが残ってしまって…」「やはりUIターンしたいという想いは消えなかった…」と、数ヶ月後に再び相談に来られるケースも少なくありません。

1度目の転職活動に力を注ぎ、引き留めに心を揺らし、残ることを決めたものの、やっぱり気持ちは変わらなかった。この繰り返しは、精神的にも時間的にも、そして体力的にも大きな負担になります。

自分の「軸」に立ち戻る

カウンターオファーを受けるということは、企業から高く評価されている証でもあると言えます。それはそれで嬉しいことですが、それが「最良の選択」であるかは別の話です。

カウンターオファーを受けたときこそ、もう一度「なぜ転職を決意したのか」に立ち返ってみてください。UIターン転職は、単に「勤め先を変えること」ではありません。仕事を含めた理想の生き方に近づくための選択であると私たちは考えています。

だからこそ、目先の条件に惑うことなく、最後の局面で自分の意思がぶれないように、自身の人生をどう歩んでいきたいかを軸に考え、後悔のない意思決定をしていただきたいと思います。


筆者プロフィール

国家資格キャリアコンサルタント

加地 盛泰Kaji Moriyasu

愛媛県四国中央市出身。専修大学法学部を卒業後、大手旅行会社の勤務を経て、東京から四国へU ターン。株式会社中四国リクルート企画(リクルート100%出資)に入社し、以来、「新卒採用」「中途採用」「社員教育」「人事制度構築」などHRM 領域全般に携わる。株式会社リクルートに転籍後は、HRカンパニー地域活性営業部、中四国グループ、四国グループのゼネラルマネジャーを歴任し、2011年に同社を退職。2012年、株式会社リージェントを設立。現在は、候補者向けの転職コンサルティング、企業向けの採用コンサルティングや人材育成トレーニング活動などに携わっている。