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転職の前に知っておきたい「キャリア設計」の重要性

こんにちは。四国の転職エージェント、リージェントの川田です。

最近はテレビCMなどで転職情報に触れる機会が増えていますね。そうした情報に触れると、自身のキャリアに対して「このまま、毎日同じことの繰り返しでいいのだろうか」「もっとやりがいを感じられる職場があるのではないか」といった漠然とした不安を抱えることがあるかもしれません。

ただ、そうした漠然とした不安をきっかけに転職活動を始めてしまうと、つい「年収アップ」や「福利厚生の充実」といった条件で応募先を検討してしまいがちです。その結果、転職で実現したかったことを見失い、「やっぱり違った…」と後悔してしまうケースが少なくありません。

後悔のない転職を実現するためには、キャリア設計がとても大切です。自分がどうなりたいかという軸が定まっていれば、転職に対する漠然とした不安も少しずつ解消されるはずです。

今回は、そんなキャリア設計を考えるために、私自身も実践してきたステップをお伝えします。

1.過去の経験を棚卸しする:自分の価値観や行動パターンの明確化

まず、キャリア設計の第一歩として、これまでの経験を振り返り、「どのような仕事に価値を感じたか」「何が自分の原動力になっていたか」を深く掘り下げてみましょう。

<自分に問いかける質問の例>
・これまでの社会人生活で、最も楽しかった出来事は?
・逆に、最も大変だった出来事は?
・どのような時にやりがいを感じた?

これらの出来事に対して、「なぜ嬉しかったのか?」「なぜ辛かったのか?」と、その背景にある理由を深掘りすることで、自分の価値観や行動パターンが見えてきます。

また、以下のようなツールを活用するのも効果的です。

<モチベーショングラフ>
これまでのキャリアを時系列で振り返り、モチベーションの上下をグラフ化する方法です。モチベーションが上がった出来事と下がった出来事を書き出すことで、自分の「好き」や「苦手」が視覚的に分かります。

<強み診断ツール>
ストレングスファインダーやVIA-IS(強み診断)、MBTI診断といった客観的な診断ツールも有効です。無料で手軽にできるものもありますので、ぜひ試してみてください。

こうした自己分析を通じて、あなたの強みや適性、そして「なぜ今の仕事に満足できないのか」という問いを導き出すヒントになると思います。

2.未来を具体的に描く:明確な目標設定

次に、「どんなスキルを身につけたいか」「どんなライフスタイルを送りたいか」「どんな人に囲まれて働きたいか」といった未来を具体的に想像してみましょう。

例えば、3年後、5年後の自分をイメージできるまで深く掘り下げてみることが大切です。その際、ライフプランもセットで考えてみましょう。

「どのような働き方をしていたいか」「趣味の時間をどのくらい持ちたいか」「家族とどのような暮らしをしていきたいか」といった具体的な質問を自分に投げかけてみましょう。さらに、「3年後、どんな顔で働いていたいか」「朝、どんな表情で起きたいか」といった感情的な側面にも焦点を当てることで、よりリアルな未来像を描くことができます。

<ゴール設定の例>
・3年後に〇〇の資格取得し、独立する。
・5年後に年収1000万円を達成する。
・子供が小学校にあがるまでに頭金〇〇万円を貯めて、四国に一軒家を購入する。

3.外部の情報を取り入れる:設定した目標をより確かなものに

具体的な目標が定まったら、次に、目標をより実現可能にするため、社会や業界のトレンドを考慮することも重要です。

<情報収集の例>
・所属する業界や、興味のある業界の動向をリサーチする。
・ビジネスニュースや業界の著名人の発信などを定期的にチェックし、専門知識を深める。
・セミナーや交流会に参加し、多様な考え方や知見に触れる。

このように、外部の情報を取り入れて未来像をブラッシュアップすることで、より具体的で現実的なキャリア設計が可能になります。

4.具体的なアクションプランを定める:理想的な未来の実現

次に目標までの具体的なアクションプランを設定し、そこに向けた動きを明確にしていきます。具体的なアクションプランを定めると、無駄なく情報を取り入れられるようになり、効率的に成長できるため、自分の能力を最大限に伸ばすことにも繋がります。

<アクションプランの例>
・成功事例や失敗事例を分析し、自身の業務内容を改善する。
・ターゲット業界で求められるスキルを特定し、オンライン講座やスクールで集中的に学習する。
・毎月〇〇円貯金し、その内〇〇円を資産運用に回す。

この設計図が具体的であればあるほど、迷わず、最短距離でキャリア設計で定めた理想の未来に到達することができます。

アクションプランは立てて終わりではなく、実行に移すことが目的です。計画を実行した後は、定期的に進捗を確認し、改善に繋げるPDCAサイクルを回していきましょう。

私自身のキャリア設計

私のキャリアは、20歳の時に「キャリアコンサルタントとして人や企業の役に立ちたい」という目標を定めたことから始まりました。

しかし、当時の私は「なぜ目指すのか」「何を実現したいのか」「達成した時にどうありたいのか」といった軸が不明確でした。そこで、毎日日記をつけたり、職場の仲間と対話したりする中で、自分の強みや弱み、大切にしている価値観を整理していきました。

この自己分析を通じて、私は「自分の仕事で個人や組織の未来をより良く変えたい、変わってほしい」という強い想いを抱き、それが実現できることに何よりも喜びを感じることに気づきました。だからこそ、キャリアコンサルタントという道を選んだのだと、再認識できたのです。

このように目標が定まり、自己理解が深まったことで、必要な行動が自然と見えてきました。

その結果、石川県から香川県へのIターン転職という大きな決断も、漠然とした不安ではなく、「理想の暮らし」を実現するための前向きな一歩として捉えることができました。

自分自身のキャリアで叶えたいことを明確化し、具体的にアクションプランを設定したことが奏功し、その結果、前職よりも今の仕事に強いやりがいと成長を感じています。



転職は、単なる仕事探しではありません。これからの人生をどう生きたいか、自分自身と深く向き合うための大切な機会です。後悔のない人生のために、まずは「今後どうなりたいか」というシンプルな問いから、一緒に考えてみませんか?


筆者プロフィール

国家資格キャリアコンサルタント

川田 基弘Kawata Motohiro

茨城県牛久市出身。関東の大学在学中に不動産業界、通信業界、社会人訪問インターンなど、数々の業界での就業経験を経て、20歳の時に「1人ひとりの働く価値を創造し、個人が活き活きと働ける社会を実現したい」とキャリアコンサルタントを志す。大学卒業後、日系の組織開発コンサルティング会社に入社。北陸エリアのコンサルティング営業として、大企業から中小企業まで、幅広い企業の事業発展に貢献。子育てをきっかけに妻の地元である四国にIターンを決断。そこで株式会社リージェントの”四国ならではの「働く」価値を創造する”というミッションに深く共感し、キャリアコンサルタントとして入社。現在は愛媛県・香川県を中心に担当し、四国へのUIターンを希望される方への転職コンサルティングに従事。