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◆40代を超えると転職は難しいのか?事例から見える転職成功のポイント

皆さんは「35歳転職限界説」という言葉をご存じでしょうか?転職は35歳前後までが限界で、40代以降は転職自体が難しくなるという説で、一昔前はよく言われていました。実際に私たちにキャリア相談いただく方々の中にも「40代になると、企業の採用ハードルは上がりますか?」「何とか30代の内に転職したいと考えています」と、年齢を気にされる方が多くいらっしゃいます。

しかし、直近の弊社実績を見ると40代を超えて転職を成功されている方の割合は25%を超えており、必ずしも転職できる年齢にリミットがあるわけではないことがお分かりいただけるかと思います。



もちろん、20代や30代に比べると採用におけるポテンシャル要素は少なくなり、これまでよりもキャリアや経験をより重視されるようになるため、ご自身の強みの整理や応募先の選定は慎重に進めていく必要がありますが、転職先が一切無くなるわけではありません。40代で希望通りの転職を実現され、入社後も活き活きと活躍されている方々の事例を参考に、40代の転職における共通点とポイントについて見ていきたいと思います。

<Case1>事前に準備を徹底し、限られたチャンスを掴みとった事例
Aさん(転職当時43歳、転職相談から入社まで6ヵ月)
 
新卒で入社した上場企業の財務マネジャーとして多忙な日々を送っていたAさん。「子育てに充てる時間を増やし、パートナーの社会復帰をバックアップしたい」という想いと、「現職では叶わないが、もっと経営企画型の財務・経理組織を作り上げていくことに挑戦したい」というジレンマを抱えていました。

財務の募集は決して多く溢れているものではないため、初めてご相談いただいた時から「転職を通じて叶えたいポイント」をしっかり整理して、企業との良い縁が生じた際にすぐに対応できるよう職務経歴書を整えつつ、現職のマネジャー業務から円満な心持ちで退職できるよう、退職活動についてもノウハウや注意点を共有させていただいていました。

そうした事前の準備もあって、ある企業が抱えていた課題に対して「Aさんのキャリアが活きるかもしれない」「Aさんが転職を通じて叶えたい事とマッチするかもしれない」となった際もすぐに動き出すことができ、選考もスムーズに進めることができました。選考では面接以外に座談会のような少しくだけた場を設けて転職先企業の課題などをご自身の目で確認されたことで、入社後や将来のキャリアステップについてのイメージが持てたと心を決められました。
 
入社後にお聞きした中で印象的だったのは「入社数ヶ月で社長からの特命を受け、やりがいを感じている」「課題もたくさんあるが、自分の介在で改善できそうなテーマだと感じている」など、前向きでエネルギッシュな仕事への姿勢と、「入社から数年を経た今も、ほぼ毎日定時に会社を出られている」という嬉しい報告です。叶えたかったメリハリのある暮らしを実現されたAさんは、転職前と打って変わって清々しい声色で、私もとても嬉しく感じました。現在は組織体制変更に伴う新設部門のキーパーソンとして、メンバー採用や組織づくりにも精力的に携わっていらっしゃいます。

<Case2>ポータブルスキルを活かし、異業種挑戦を成功させた事例
Bさん(転職当時43歳、転職相談から入社まで5ヵ月)

大手IT企業の経営企画付き組織のマネジャーとして、前例のないプロジェクトや研究を手掛けてきたBさんは、どんな環境でも変化を楽しめるタイプの方。転職する上でIT業界からも絶え間ないオファーを受けていましたが、リスタートをするなら敢えて異業種で挑戦する方が面白そうと考えられていました。

自身のキャリアや経験を色々な業種へ転用してみたいという転職理由に合致する先として、自社の事業の他、顧客の事業にも深く介在できる金融業の求人を提案したところ、大変興味を持たれました。「全く畑違いの業界への挑戦であり、IT業界と金融業では企業文化や仕事のスピード感にギャップを感じる可能性がある」ことをご本人と共有し、ご自身の価値観とポータブルスキル(汎用的なスキルや経験)をしっかり整理しつつ、選考プロセスを通じて転職先のカルチャーを感じ取り、合うか否かを見極めて行く方針を固めました。

コロナ禍とあって選考はオンライン中心に進みましたが、面接を通じて企業の文化や雰囲気に触れ、ご自身が介在することで変化をもたらすことができる環境であることを確信されたため、入社を決意されました。

入社後、Bさんは新しい組織と人を理解することにしっかり時間をかけられ、仕事の進め方やカルチャー面での課題を把握されていきました。「課題を感じて変えていきたいという若い仲間がいることも分かってきたんです」という報告をいただき、急速な変革ではなくとも、自身が持つ知見や経験を活かして企業を変えられていくんだろうなと期待を感じました。



40代の転職事例として2名のストーリーをご紹介してきましたが、転職成功のポイントに共通点があるように感じています。

①転職によって叶えたいこと、ご自身の価値観、キャリアの強みをしっかり整理されている
②転職を実現する上で、譲れる点と譲れない点を明確にしている
③早めに準備をして、求人が出た際にすぐ動ける準備をしている

冒頭にもお伝えした通り、年齢が上がるとスキルや経験に対する期待が高まるため、応募できる求人は限定されるようになります。また、常に希望通りの求人が募集されているわけではないため、事前にしっかり準備をして、ご自身の価値観やキャリアを整理しておくことが40代の転職では特に重要になります。

このように方向性を明確にして転職された方々は、企業への入社後も活躍されていることが多いように思います。転職はゴールではなく、その後の活躍が何よりも大切ですので、そういった意味でも事前にしっかり転職によって叶えたい事を細かく言語化しておくことが必要です。

皆さんが転職によって叶えたい事を理由と共にぜひ詳しく教えてください。転職するかどうかも含め、最適なキャリアを一緒に考えていきたいと思います。


筆者プロフィール

国家資格キャリアコンサルタント

渋谷 智子Shibuya Tomoko

香川県三豊市出身。二児のママ。外国語学部卒業後は、新卒でメーカー勤務(営業)を経て、2004年より株式会社リクルートにてHR(ヒューマンリソース/新卒・キャリア領域)事業、スカウト型キャリア採用支援・研修に携わり(6年半)、香川県本社企業の経営陣、事業キーマンとの接点を持つ。出産・専業主婦を経て、2013年に株式会社リージェント入社。入社後活躍にこだわるスタンスに惹かれ、企業と相談者の双方を担当する。2020年より東京在住、四国を応援したいファンが増えることを願い、U・Iターン支援に従事。地場大手メーカー・インフラ・エネルギー関連の技術職・専門職・管理職ポジションを得意とする。