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休日をゆっくり味わう「四国まんなか千年ものがたり」

こんにちは。四国の転職エージェント、リージェントの小川です。
今回は四国の豊かな自然を楽しめる大人旅、観光列車「四国まんなか千年ものがたり」を紹介したいと思います。



日本各地に走っている観光列車。東北には3泊4日で100万円のコースもあって、予約が抽選になるほどの人気だとか・・・列車の旅と聞いて私がイメージするものをはるかに超える客室やおもてなし、食事の様子を垣間見て、観光列車に対する印象が大きく変わりました。

実は四国にも観光列車はいくつかあります。
愛媛の松山~伊予大洲・八幡浜間を運行する「伊予灘ものがたり」、高知県の高知~土佐久礼・窪川間を運行する「志国土佐 時代の夜明けのものがたり」、香川県の多度津~徳島県の大歩危間を運行する「四国まんなか千年ものがたり」。この他にもアンパンマン列車やトロッコ列車も走っています。

移動手段として利用する以外の目的で列車に乗ったことがなく、観光列車というものに少し敷居を高く感じていましたが、四国に住んでいるからには一度は体験してみたい!
まずは一番身近な香川県多度津駅が発着となっている「四国まんなか千年ものがたり」に乗車してみることにしました。

運行日に一往復していて、香川から徳島に向かう「そらの郷紀行」、もしくは徳島から香川に向かう「しあわせの郷紀行」を選びます。今回は「しあわせの郷紀行」にしたので、まずは徳島県の大歩危まで普通の特急列車で移動しました。

大歩危はほぼ四国のまんなか、祖谷のかずら橋(国指定重要有形民俗文化財)やラフティングの名所としても有名な吉野川の中流あたりにあります。大歩危駅は山のふもと、川のすぐそばにあり、その場所に立つだけで日常から離れた清々しい気持ちになりました。



列車は三両編成で1両ごとにコンセプトがあります。1号車「春萌(はるあかり)の章」、2号車「夏清(なつすがし)の章」/「冬清(ふゆすがし)の章」、3号車「秋彩(あきみのり)の章」。2号車のみベンチソファーになっていて、全員が同じ方向の窓に向かって車窓を楽しめるようになっていました。

ゆったりしたソファーで過ごすのもいいなと思いましたが、今回は1号車「春萌(はるあかり)の章」です。乗車してすぐに木の香りがして落ち着いたインテリアとライティング、窓の大きさに驚きました。



沿線の観光スポットではガイドアナウンスがあり、列車のスピードを落として下さるのでゆっくり景色を楽しむことができます。また出発駅・到着駅だけでなく途中停車駅や走行中にも地域の方々が手を振って見送ってくださいます。

最初は少し恥ずかしさもありましたが、いつの間にか嬉しくなって、外に地域の方を見つけると条件反射で手を振り返すようになりました。地域の皆さんが歓迎して盛り上げて下さっていることを知り、とてもあたたかい気持ちになりました。



もう一つ驚いたのは坪尻駅のスイッチバックです。私は初めて知りましたが、昔の蒸気機関車は坂道を上る時に一旦折り返し線へバックし、勢いをつけて上ったそうです。

四国でスイッチバックがあるのは坪尻駅(徳島県)と新改駅(高知県)の2つのみで、どちらも土讃線です。いづれも特急列車は停車しない駅なので、観光列車か普通列車に乗車しないとスイッチバックはしてくれません。



また、坪尻駅は列車か徒歩でしかたどり着けない秘境にある駅のため、この列車に乗らなければこの駅で降りることもなかったと思いますし、秘境ならではの自然豊かな環境に気が付くこともなかったかもしれません。

スイッチバックしてくれたので二度涼しげな滝を楽しむことができました。進んだ列車が戻っていくのは不思議な感覚でしたよ。



香川県に入ってからは讃岐平野に讃岐富士を眺めつつ、見慣れた風景にちょっとホッとする感じもありながら、琴平駅では千年ものがたり専用待合室でアイスのおもてなしをいただき、観光列車ならではのゆっくりした時間を最後まで味わうことができました。

多度津駅に到着し、列車を降りる時には名残惜しさもあって、初めての列車の旅が心地よかったことを実感しました。また機会をつくって愛媛や高知の路線にも乗車してみたいと思います。

長く四国に暮らしていても足を運べていない場所がたくさんあるものですね。自分が暮らす四国にもっと目を向けて、またおすすめスポットをご紹介させていただければと思います。