「UIターン転職」と「賃貸物件探し」を並行して進める際の注意点
こんにちは、四国の転職エージェント、リージェントの小野です。
UIターンに伴う住まい探しは、通常の引っ越しと違って少し気を付けないといけないことがあります。
ただでさえ慌ただしいUIターン転職。少しでもスムーズに進めていただけるよう、UIターン転職における賃貸物件探しの注意点をお伝えします。
部屋を借りるために適したタイミング
部屋を借りるためには様々な審査条件がありますが、管理会社や大家さんが最も気にすることは「支払い能力があるかどうか」です。
「長期間にわたって安定した収入があるか」「家賃を滞納されないか」「家賃滞納によって訴訟トラブルに繋がることはないか」、そうしたリスクの有無を見極めるために、勤務先の名称・連絡先、在籍証明書、源泉徴収票、残高証明書などの提出を求められます（貸主によって必要となる書類は異なります）。
つまり、「今後も長く働ける職場に現在就業しているか」ということが審査においてとても重要になります。そのため、UIターン転職のどのタイミングで審査を受けるかによって、すんなり部屋を借りられるかどうかが変わってきます。
①転職先が決まっており、内定通知書が手元にある
内定通知書は賃貸契約において信頼性と安定性を示す資料となるため、内定通知書があれば審査が通る可能性が非常に高まります。
通常、内定通知書には勤務先情報や入社予定日が記載されているため貸す側としては安心感を得やすく、また、内定を受けたということは労働契約という雇用関係も成立しているため、長期の安定した支払いを見通すことができます。
もし、内定通知書がまだ手元にないということであれば、賃貸契約を進める前に送付してもらうようにしましょう。
②UIターンすることは決まっているが、転職先が決まっていない
例えば、「面接で四国に行くついでに、賃貸物件も見に行っておこう」となった場合がこのケースに当てはまります。遠方からのUIターンであれば移動費やホテル代がかかってしまうため、できる限り少ない往復で転職活動＆住まい探しを進めることができれば効率的です。
ただ、こうしたケースは少し注意が必要で、場合によっては契約を進められない可能性もあります。
まだ現職を退職していなかったとしても、「今後退職する可能性があり、なおかつ新しい勤め先も決まっていない」ということは、貸主からしてみれば無職の方を入居させることと同じになってしまいます。したがって、「支払い能力が不透明」と判断され、契約を断られてしまうこともあります。
実際、私はこのパターンで少し苦労しました。東京から最終面接に訪れた翌日に不動産を見て回り、内見も済ませて入居先の物件を決定。内定が出た時に備えて可能な限り契約を進めておきたいと伝えると、「就業先が決まっていないと契約を進めることは難しいです」と言われてしまいました。
よくよく考えれば契約が難しいことは当然なのですが、現職を続けながらの転職活動で少しバタつき、余裕を持って調べる時間がなくなっていました。私のように不要な労力をかけることがないよう、事前にしっかり準備しておくことが大切です。
転職活動中に部屋を借りるための方法
何度も往復することは難しいなど、どうしてもUIターン転職の活動中に部屋を借りなければならない場合は、連帯保証人を立てるといった対策を考えていかなければなりません。
安定収入のある方に連帯保証人になってもらうことができれば、管理会社や大家さんにとって家賃滞納のリスクが下がるため、部屋を借りられる可能性が高まります。
親族などに連帯保証人になってもらうことがためらわれる場合は、賃貸保証会社を利用するのも一つの方法です。賃貸保証会社は入居者が何らかの事情によって家賃が払えなくなった時に、家賃の立て替え払いをしてくれます。つまり、連帯保証人の代わりになってくれる会社です。
最近では賃貸保証会社を利用した契約を必須にしている管理会社や大家さんも増えてきているので、不動産会社の担当者に確認すれば賃貸保証会社を利用することは難しくないと思われます。
ただし、契約時に家賃1ヶ月分の50〜100％程度の保証料や、年間数万円の更新費用が必要となることが大きなデメリットとなります。
内定後に賃貸物件探しを進めるほうが無難
やはり、基本的にはしっかり内定を得てから賃貸契約を進めた方が賢明かと思われます。さらにいうと、現職の会社に退職の意思を伝えた後の方がいいかもしれません。
管理会社や大家さんによっては、賃貸契約をする際に勤務先への「在籍確認」を行うことがあります。入居申込書に記載された勤務先に連絡して、入居者が実際に働いているかを確認するのです。
UIターン先の企業で内定を得て、現職に退職の意思を伝えていたら、現在の状況を包み隠さず丁寧に説明することができるかと思います。
そうすれば、現在の勤務先に在籍確認が入り、退職予定であることが分かったとしても審査上は特に問題なく、また、新しい勤務先へ在籍確認されたとしても、入社予定であることが確認できるはずです。
一方で、現職に退職の意思を伝えていない場合、現職に在籍確認されると困ることもあるかもしれません。在籍確認では、基本的に名前以外の確認は行われないので細かな情報が伝わることはありませんが、それでもお互いにとってあまり気分のいいものではありません。
効率的だからといって無理に進めると、どこかで非効率なことが起こる可能性が高まります。順序良く進め、正直に事情を説明できる状態にしておくことで、現職にも新しい勤務先にも、そして管理会社や大家さんにも、信頼感と安心感を持ってもらうことができます。
UIターン転職は労力がかかるため、段取りがとても大切です。いざという時に焦ることがないよう、スケジュールをしっかり立てて、時間をかけて準備を進めていきましょう。