仁淀ブルーを見に、高知の「にこ淵」へ
今回は長年行ってみたいと思っていた高知県を流れる仁淀川、通称「仁淀ブルー」を代表する景勝地「にこ淵(にこぶち)」へ向かいました。
午後から雨の予報だったので少し不安もありましたが、せっかくなので両親も一緒に大人の遠足です。高松から高速に乗って2時間強で到着予定だったので、朝8時ごろ高松を出発しました。
高知自動車道の大豊インターチェンジを下りて、国道439号を吉野川沿いに走っていくと、思いがけず、四国の水瓶と呼ばれる早明浦(さめうら)ダムが見えてきました。降水量が少ない香川県の経済や産業、暮らしを支えている非常に重要なダムです。
少し離れた場所からでしたが、ダムの堰堤はさすがの大きさでした。もっと近くで見たいと心を惹かれましたが、今回は「にこ淵」へ行かなければなりません。早明浦ダムは次の機会にとっておくことにしました。
しばらく走り、吉野川からはなれて仁淀川上流へ進むと、川の様子が変わってきます。上流に近づくにつれて、川を流れる水の透明度が増し、岩の大きさにも驚かされます。自然の力強さを感じながら空を見上げると、天気もなんとか持ちこたえていました。
「にこ淵」を訪れるなら、太陽の光が差し込む正午前後の時間帯がおすすめですが、今回は午後から雨予報だったこともあり、少し早めの10時過ぎに到着しました。
駐車場に車をとめ、木々が露に濡れてキラキラしている遊歩道をゆっくり降りていくと、徐々に水の音が大きくなり滝が見えてきます。淵まで降りると圧倒的な透明度!!
蝉の音がかき消されるほどの水の音。初めて見る景色に、両親も大いに感動していました。淵までの遊歩道は傾斜が緩やかで、高齢の両親でも無理なく楽しむことができました。

私が撮った写真だけでは、お伝えしたい感動を十分に表現できていません。ぜひ実際に訪れて、この景色を体験していただければと思います。
下流へ向かう途中では、ラフティングやカヌー、SUP、BBQなどを楽しむ方がたくさんいらっしゃいました。高知の川といえば、増水時に川面の下に沈むように設計された沈下橋が有名です。仁淀川にも6本の沈下橋があり、その中でも一番長い196mの「名越屋沈下橋」を少し歩きました。
増水に備えて欄干(らんかん)がないため、初めは落ちてしまいそうな感覚になりますが、川の真ん中に立って眺める景色は格別です。

午後、「いの町紙の博物館」で紙漉き体験をさせていただきました。
土佐和紙は、およそ1000年以上も前から製造されていたと考えられているそうです。江戸時代には幕府への献上品として藩の保護を受け、土佐の主要な特産品として広く知られるようになりました。
博物館には多くの展示物があり、和紙が単に文字を書き込むためだけのものではなく、人々の生活のあらゆる場面で活かされてきたことがよく分かります。さまざまな紙の材料や道具も展示されていました。

雨が上がった後、暑かったので「旧浜口家住宅」のかき氷を目指して、佐川町までドライブしました。
佐川町上町地区は、江戸時代に領主であった深尾家(土佐藩の筆頭家老)の城下町で、伝統的な商家住宅や酒蔵などが残る風情ある街並みが魅力です。また、日本の植物学の父、牧野富太郎博士の生誕地としても有名です。

牧野公園の散策や司牡丹酒造での酒蔵見学もしてみたかったと、心残りを感じながら帰路につきました。19時前には高松に到着し、家族で写真を振り返りながら思い出に浸る、良い一日となりました。
インターネットで検索すれば世界中の絶景を画面で見ることができますが、どんなに美しい映像もやはり実際に体験する感動にはかないません。
今後も機会を見つけて、四国の素晴らしい景色や体験をお伝えしていきたいと思います。