データから見える香川の求人トレンド
こんにちは。四国の転職エージェント、リージェントの小野です。
早いもので、2025年も残すところあとわずかとなりました。年末年始の帰省を意識する中で、「そろそろ香川に戻ろうかな」「地元の企業で働くのもありかもしれない」と、香川へのUターンについて考え始めた方もいらっしゃるのではないでしょうか。
そこで気になるのが、現在のリアルな求人動向かと思います。
「以前と比べて、採用市場や条件面はどのように変化したのか?」「今の香川には、どんな業種・職種の求人が多いのか?」
そんな疑問にお答えするため、今回は弊社が保有する香川県の求人データを集計し、2024年12月と2025年12月の比較を行いました。「年収」「休日」「業種・職種」の3つの観点から、求人の現状をお伝えしたいと思います。
上限年収の平均が600万円を突破
まずは、気になる「年収」のデータから見ていきます。 2024年12月から2025年12月にかけて、上限年収の平均は以下のように推移しました。
〇2024年12月:597万円
〇2025年12月:613万円(前年比 +16万円)
年収は全国的にも上昇傾向にありますが、弊社が保有する香川県の求人データでも同様の傾向があり、ついに600万円を突破。
香川の企業が「地方の相場に固執せず、都市圏の水準を意識しなければ人材を確保できない」といった危機感を募らせていることが、少しずつ年収が上がっている要因だと考えられます。
さらに年収帯別に見ると、1,000万円以上の年収帯で動きが活発になっていることがうかがえます。
※出典:弊社保有求人(2024年12月・2025年12月)
少し前までは、地方の1,000万円プレイヤーといえば、一部の役員や特殊な専門職に限られていました。しかし現在は、事業承継に伴うプロ経営者の登用や高い専門性を有する技術者、社内にノウハウがないDX・海外推進を牽引できる管理職に対し、都市圏に近い待遇を用意する企業が増えてきています。
年間休日120日以上の求人数の増加
年収と並んで注目される「年間休日」についても少しずつ変化が見られています。
年間休日の最低基準は、労働基準法を踏まえると105日。厚生労働省の「令和6年就労条件総合調査」によると、全国の平均は112日。そして、ホワイト企業の基準とされているのが120日。
2021年には、(株)リクルートが年間休日145日にするといったニュースが話題になりましたが、都市部の大手企業では125日以上に設定している企業も多いように思われます。
では、香川ではどうかというと、弊社が保有する求人の年間休日は以下の通りとなっています。
※出典:弊社保有求人(2024年12月・2025年12月)
2024年、2025年ともに平均117日。年収に比べるとここ1年での変化は軽微ですが、2021年のデータを見ると平均休日は114日となっているため、長期的には少しずつ増えてきています。
特に120日以上の求人は全体の60%。2024年の57%に比べて+3%増となっており、休日数を改善しようという企業が増えているのは間違いありません。
都市圏からUターンされる方は年間休日120日以上というのが当たり前となっており、119日以下の企業はそもそも目に留めてもらえないリスクがあります。そうした危機感を抱く企業は休日数の規定を見直し、採用力の強化に努めています。
一方で、年間休日105日未満の層も約7%存在し、横ばいで推移しています。
小売・サービス業や運輸業などは、「土日祝日が稼働日」「人手不足」といった理由で休日数を増やせていない企業がまだまだあります。また製造業においても、生産が追いつかず休日数を増やせない、といったケースが見受けられます。
しかし、こうした企業でも経営層を中心に「休日数を増やさないといけない」といった意識が広がっており、業務の効率化や設備投資によって休日数を伸ばそうという動きが見られているため、今後も徐々に改善していくと思われます。
コーポレート系職種のニーズ増加
次に、どのような業界・職種でニーズが高まっているのかを見ていきます。
まず、業種の構成比は±1%の範囲で変化はみられるものの、2024年・2025年で大きく変わっていません。引き続き「メーカー」が全体の38%を占め、依然として製造業が香川県経済を支えていることが見て取れます。
※出典:弊社保有求人(2024年12月・2025年12月)
建設用クレーン世界2位の「(株)タダノ」、合成樹脂フィルムの国内トップメーカー「大倉工業(株)」、EMS(製造受託)事業を拡大させる「カトーレック(株)」など、国内トップクラスの企業が集積していることが香川県の特徴です。
メーカーが多いため、職種で見ても「営業」や「エンジニア」の割合が多くなります。
※出典:弊社保有求人(2024年12月・2025年12月)
職種で最も大きく動いているのは、14%から17%に増加した「管理・企画系」の求人です。
具体的なポジションを見ると、総務・人事・経理といったコーポレート系の新規登録が多くなっています。働き方改革への対応やバックオフィスのDX化など、管理部門に求められる役割は高度化しています。そのため、変革をリードできるバックオフィスのプロを求める企業が増えていると考えられます。
また、提示年収1,000万円を超える経営企画・事業企画のポジションも増えています。新たな経営戦略や事業戦略を描くに当たり、経営層と連携しつつ、事業成長に直結するインパクトを生み出すことができる高い問題解決能力や戦略的思考力、ITリテラシーを持つ方が求められるようになってきています。
年々「質」を高める香川の求人
年収の上昇や休日の増加は、働く方にとって嬉しい変化です。しかし、それは同時に、企業が働く人に求めるハードルが上がっていることも意味します。限られた時間の中で高いパフォーマンスを発揮する、よりプロフェッショナルな働き方が評価されるようになったともいえるかもしれません。
また、スキルと経験があれば、都心部と遜色のないポジションを得られるチャンスが広がってきたという点も大きな変化です。「地方だから年収が下がる」というのは絶対ではなく、香川県の企業も高い付加価値を生む人材に対しては、それ相応の評価をするようになってきています。
年末年始の帰省は、ご自身のキャリアやライフプランをゆっくりと見つめ直す絶好の機会です。今回のブログを読んで「自分のキャリアなら、どのような選択肢があるのか?」「香川県で、今よりもっと力を発揮できる場所はないか?」と思われた方は、ぜひ一度ご相談ください。
弊社のコンサルタントが各企業の求人動向や内部事情を踏まえ、皆さまの転職を全力でサポートさせていただきます。