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充実したキャリアには余白が必要

6月に入り梅雨の合間から夏の訪れを感じられる季節になりました。今年も近くの川に行くと、たくさんの蛍が舞う姿が見られ、変わらずそこにある風景に、幸せは日常の中にあることを教えられます。



今日は、充実したキャリアには「余白」が必要、というテーマについて書いてみたいと思います。半分、自問自答しているようなテーマで恐縮ですが、充実したキャリアを築いている人には、共通して「余白」のうまさを感じます。ここで言う「余白」とは、余裕のある時間や精神の存在を指しており、何にも縛られていない状況を確保するという意味合いです。

根本的な課題ですが、30代~40代は「余白」がもちづらい状況にあると思います。年代的に、仕事で活躍することでより大きな役割を任され、またマネジメントの立場に立つなど、30代~40代のタイミングでキャリアの転機を迎えられている人は多いと思います。プライベートにおいても、結婚や子育てなどのライフイベントを迎えることが多く、順調にいけばいくほど毎日が忙しく、自分のことに時間を割ける機会が極端に少なくなってしまうのも、このタイミングなのではないでしょうか。そんな状況下では、「余白」と言われても、毎日のタスクをこなすので精一杯で、そんな余裕はない…。という方々も多いかもしれません。私もちょうど渦中にある1人として、そう思っています。

Uターン・Iターン転職を考えられている方々で最も多い世代は、30代~40代となっており(※弊社実績)、「余白」のない中で意思決定をして、離れた地で納得のいく転職先を見つけることは至難の業です。

転職エージェントとの接触時には、求人があるのかどうかが主な焦点となりがちですが、納得のいくキャリア選択をしていくには、「余白」を活用した自己理解が欠かせない要素だと感じます。日頃から自己理解を生むための「余白」作りについて、私が実践しているいくつかの方法をご紹介します。みなさまの「余白」作りのヒントになれば幸いです。

■日常編

①マインドフルネス瞑想
これは知人に教えてもらい、習慣にするようになりました。不要なプレッシャーやストレスから自分を解放し、今の自分に集中する目的で行います。朝起きてからや、寝る前等の15分程の時間を使って実施することで、忙しい毎日の中での整理をつけることができます。(できたような気になれます。笑)
私はまだまだ達人ではないので、見様見真似ですが、多くの有名経営者が座禅に取り組んでいることからも、こういった時間の必要性はあるのだと感じます。
※「マインドフルネス瞑想」とYouTubeで検索するとたくさんの先生に出会えます。

②1週間の喜怒哀楽を言葉にする
これは少しオリジナルですが、リージェントでは1週間のうち30分程度、3人1組で「ザツダン」を行うことを習慣にしています。その際に様々なテーマで話をしますが、私が意識しているのはその1週間の喜怒哀楽を言葉にしてみるということです。問われた際にパッと思い出せるもの、よくよく考えると思いだせるもの、色々あります。何気ない1週間に思えても、人は様々な感情をもって1週間を過ごしていることに気が付くようになります。それを言葉にしていくことで、自分自身の価値観や気持ちの変化に気が付くきっかけになっています。1人でもできることなので、もし「気が付いたら1週間が終わっている」という方は、習慣にしてやってみることをお勧めします。

■自己理解編(ツール活用)

①メンタルモデルを知る
「ザ・メンタルモデル」という本を読んで、「メンタルモデル」という概念に出会い、毎日の日常の中で自分の心の中に起きている葛藤に気がつけるようになりました。私なりの理解でお伝えすると、「メンタルモデル」とは、自分自身の中で組みあがった心の仕組みで、自分にとって不都合な状況が起きることを回避するためにとっさに機能する思考回路のことです。これが理解できるだけで、日々の中にある「何でこうなってしまうんだろう」という出来事の気持ち悪さの理由がわかり、自身が大切にしたい価値観に気づくきっかけが得られました。

とはいえ、メンタルモデルは、それに気がついたからといってメンタルモデルそのものを変えられるものではなく、理解した上でどう付き合っていくかというものなので、劇的な変化を起こすものではありません。ただ、これを知っておくと、自分自身の理解にはとても役立つものだと感じています。個人的理解での説明なので解釈の違いがあるかもしれませんので、興味をお持ちいただけた方は、下記の本を参考にしてみてください。
※参照:「ザ・メンタルモデル」痛みの分離から統合へ向かう人の進化のテクノロジー(著者 由佐美加子・天外伺朗)

②ストレングス・ファインダー
こちらはご存知の方も多いと思います。人が持つ「34の資質」から自分自身の強み(資質)を知ることができるテストです。自身の強みを知った上で、注力することを見定めていくことは大事なことだと思います。過去に受験した際、私は上位5位が「着想」「最上思考」「個別化」「戦略性」「活発性」という結果になりました。
個人的には、とても言い当てられた気持ちになり、自分自身がやっていて楽しい瞬間は強みが発揮できている時なのだと感じます。やったことがない方は、ぜひ参考にしてみてください。下記の本からテストが入手できます。
※参照:さあ、才能(じぶん)に目覚めよう 新版 ストレングス・ファインダー2.0(著者 トム・ラス 翻訳  古屋博子)

いかがでしたでしょうか。上記の内容であれば、少しの意識で毎日の生活に「余白」をつくることに繋がるので、大きな変化をすることなく、自己理解を進めていくきっかけになるのではないかと思います。自身の価値観を明らかにすることは、日々の仕事のパフォーマンスを上げることにも直結しますし、「転職」という選択をする際の判断基準においても、非常に役に立つと思います。

Uターン・Iターン転職を考える際には、「住む場所」「会社」「コミュニティ」「仕事内容」など、多くの変化が同時に伴うため、普段より「余白」をもち、自身の価値観を理解しておくことをお勧めします。弊社の面談では、価値観を整理・理解しておきたいという目的も可能ですので、自分だけでは行き詰まり感があるなという時はお声掛けください。四国ならではの「働く」価値を共に探せるパートナーでありたいと思います。


筆者プロフィール

国家資格キャリアコンサルタント

佐々木 一弥Sasaki Kazuya

香川県さぬき市出身。大学卒業後、2007年に株式会社リクルートに入社。求人広告の企画営業職として、香川・愛媛にて、四国に根差した企業の採用活動の支援を中心に、新拠点や新サービスの立ち上げも経験。2010年に販促リサーチを行うベンチャー企業の創業メンバーとして参画。創業の苦労と挫折を経験。2012年、株式会社リージェントの創業メンバーとして入社。2019年より代表取締役に就任。子どもと焚き火をするのが至福の時間とのこと。