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退職交渉の前に、転職理由を明確に。

みなさん、こんにちは。リージェントの吉津です。 今日は「現職からの引き留め」についてお話ししたいと思います。

四国へのUターン・Iターン転職に際して、第一希望の企業から内定が出たにも関わらず、残念ながら辞退となるケースがあります。ご家族の反対や待遇面の不一致など理由は様々ですが、現職との退職交渉がうまくいかず、強い引き留めにあって辞退される方もいらっしゃいます。

以前より、成果を出されている方ほど退職交渉は長期化しやすい傾向にありましたが、昨今は引き留めがいっそう強まっていると感じます。特に最近の傾向として、転職理由そのものの解決策を提示される事例が増えてきています。

例えば、ポジションへの不満であれば異動を打診されますし、年収・待遇の課題であれば給与の引き上げなどを提案されることがあります。 また、柔軟な働き方が広まる中で、勤務地の問題であればリモートワークの適用範囲を見直し、「Uターン・Iターン移住をしつつ、現職に残る働き方」を打診されるケースも出てきています。

ただ、ここで注意すべきは「その対応が継続されるかどうか」という点です。

例えば、年収や待遇の引き上げを提示されたとしても、上長が変わったタイミングでその約束が白紙に戻ってしまうことがあります。また、退職交渉によって待遇が良くなったという噂が広まり、組織内で居心地が悪くなるリスクも考えられます。

リモートワークに関しても同様です。特例として認められたとしても、会社のルールや方針がいつ変わるか分かりません。もちろん、成果を出し続けていればその例外対応が定着していく可能性もありますが、事業環境や経営状況の変化によって前提がくつがえる場合もあります。

もちろん、現職の引き留めに応じて「転職せずに現職に残る」という決断が悪いわけではありません。会社や仕事内容に全く不満がなく、勤務地だけの問題を抱えている方であれば、フルリモートで四国に移住し、現職を続けることで課題は解決できます。



私自身、「転職はあくまで手段」だと考えています。現職に留まることで目的が達成できるのであれば、無理に転職する必要はないというスタンスです。

しかし、私が懸念するのは「迷い」です。 希望先の企業から内定が出ても、現職で活躍されている方ほど強い引き留めに遭い、決断を悩まれることが多々あります。

だからこそ、転職活動をスタートする前に、「なぜ自分は転職するのか」「なぜ四国へUターン・Iターンするのか」という転職理由をしっかりと整理しておくことをおすすめします。もし勤務地だけがネックになっているのであれば、異動やリモートワークでの調整ができないか、現職に事前相談してみるのも一つの手です。

ただ、私の感覚では、「Uターン・Iターン転職をしたい」と考えている方は、勤務地以外の転職理由もお持ちであることがほとんどです。

今の仕事に大きなやりがいや充実感を得ているなら、そもそも転職という選択肢は出てこないはずです。会社や業界に対する先行き不安、価値観との不一致、将来ビジョンとのズレ、地域に貢献したい想いなど、複合的な理由を抱えているのではないでしょうか。

条件面だけでなく、ご自身の感情や価値観とも向き合っていただき、「なぜUターン・Iターン転職をするのか」という理由を深めてみてください。それが、転職するにせよ現職に残るにせよ、決断をする上での指針なると思います。


筆者プロフィール

国家資格キャリアコンサルタント

吉津 雅之Yoshizu Masayuki

広島県福山市出身。小・中・高とずっとサッカーをやってきた体育会系の一面も。東京学芸大学卒業後、株式会社リクルートへ新卒入社。入社以来、住宅領域の広告事業に従事。2013 年より営業グループマネジャーを歴任。2018年に8年半の単身赴任生活に区切りを付け、家族が暮らす四国へIターンし、株式会社リージェントへ入社。マネジメント経験を活かして、経営者や責任者の課題解決に寄り添うスタンスにて活動。また、四国へのU・Iターン転職を検討する方の不安や課題を理解し、「四国ならではの働く価値」を一緒に考えるスタンスで取り組んでいる。現在は徳島・香川エリアを中心に活動中。