愛媛県令和8年度予算から見る愛媛の未来像
こんにちは!四国密着の転職エージェント、リージェントの田中です。
地方へのUIターンを考えるときには、「地方での暮らしはどんな感じだろう?」「これから先、どうなっていくの?」といった疑問が浮かぶもの。その答えのヒントが、実は意外なところにあります。
それは「県の予算案」です。行政がお金をどこにどれだけ投じるかは、何に本気で取り組み、何を大切にしているかを表す、まさに価値観の地図のようなもの。ただの数字の羅列としてではなく、その先に見える地域の未来像を読み解くことで、暮らしのイメージがよりクリアになっていきます。
今回は令和8年度愛媛県当初予算案から、愛媛でのこれからの暮らしや仕事について、「愛媛の未来像」を紐解いてみます。
令和8年度の愛媛県予算案・重点施策
令和8年度の愛媛県一般会計当初予算は、総額約7,827億円。3年連続で前年度から増加しており、過去最大規模となっています。
重点施策として「人口減少対策」「DX・官民共創の推進」「防災・減災対策」「地域経済の活性化」の4つが掲げられているのですが、その中で特に注目されている内容に焦点をあて、ご紹介していきます。
①誰も取り残されない未来を目指して「助産師派遣・妊産婦ケア体制構築」
愛媛県内では12市町に分娩施設がなく、そのうちの7市町が南予地域です。近くに産婦人科がない妊産婦の方は、近隣の市町まで足を延ばして健診やサポートを受けざるを得ません。
こうした状況を踏まえ、愛媛県は居住地に関わらず産前産後ケアが受けられる体制を構築するための事業費として、1億3,772万円を計上しています。2025年10月には愛媛助産師会と連携協定を結び、事業化に着手しました。
南予地域を中心とした助産師の広域派遣モデル、自宅での授乳指導やメンタルヘルスケア機会の充実、急変に備えた医療機関や妊婦健診クリニック間の情報共有のネットワーク整備などを模索しています。
県と市町村が連携して「出会いから結婚、妊娠、出産、子育て」にいたるまでの切れ目のない支援で、誰も取り残されない、どこに住んでいても安心して出産・育児ができる未来を目指しています。
愛媛県は、県内人口減少を「最重要課題」と捉えています。人口減少自体は全国共通の問題ですが、四国エリアは全国的に見ても人口減少が進んでいる地域のひとつです。
人口が想定以上に減少しているという厳しいデータもあえて公開し、愛媛県民が一丸となって大きな課題に取り組んでいきたいという強い意志と、真摯に向き合う姿勢を示しています。
②県内産業のDX推進「トライアングルエヒメ2.0」プロジェクト始動
愛媛県では「トライアングルエヒメ2.0」という、独自のデジタル実装加速化プロジェクトが始動しています。県内企業の稼ぐ力の強化や、デジタル人材育成を通じた地域課題の解決を目的に、一次産業、製造、物流、小売、観光、福祉など様々な業態における最先端デジタル技術の実装と定着、横展開に取り組んでいます。
ここで、デジタル実装事例の中で個人的におもしろいと魅力を感じたものを一つご紹介します。それは「無人のお遍路宿」です。
「愛媛県内で空き家が増えている」という課題と、「インバウンドの増加に対して宿泊施設が足りない」という課題を、民泊DXによって解決しようとするこの事業。チェックインは多言語対応のデジタル端末で行い、鍵の受け渡しも非対面で何時でも可能と、海外からのお遍路さんにとって利用しやすいのもポイント。空き家×民泊×インバウンドの相乗効果で、観光業DXのモデルケースとして注目されています。
その他にも様々な魅力的なDX実装報告がありますので、気になる方はトライアングルエヒメをチェックしてみてください。DX化によってこれから愛媛県にどんな化学反応が起こっていくのかが楽しみです。
参照:トライアングルエヒメHP
③共創の出発点!官民共創拠点「E:N BASE(エンベース)」
約50年ぶりの建て替えとなった愛媛県庁第二別館に、官民共創拠点として「E:N BASE(エンベース)」がオープンします。
E:N BASEは、行政・企業・起業家・大学・金融機関・個人が出会い、共創の“縁”を広げる出発点をコンセプトに整備された、官民共創拠点です。愛媛のイノベーションハブ拠点として、地域課題の解決や新たなビジネス・政策の創出、DXの加速などが期待されています。
施設にはカフェやラウンジ、イベントステージ、キッチン、スタジオ、ディスカッションスペースなどが備えられており、交流イベントや共同研究など、様々な活動が行えるようになっています。
地域活動に貢献したい人、新しいプロジェクトに挑戦したい人、起業やスタートアップを志す人など……多種多様な人材が集まるE:N BASEで、これからどんな共創が広がっていくのでしょうか?期待が高まります!
参照:エンベースHP
④新たな食文化の誕生!「東予の洋風鯛めし」
重点施策として「強みを生かした地域産業の底上げ」も掲げられています。1次産業や製造業が盛んな愛媛県で、それぞれの特色ある地域産業への支援を行っていく方針です。
その中で今、愛媛県が力を入れているのが「東予・洋風焼き鯛めし」の普及推進です。愛媛の鯛めしといえば、中予の炊き込み鯛めし、南予の活き造り鯛めしが有名ですが、洋食文化が根付く東予地域から第三の鯛めしとして誕生したのが「洋風焼き鯛めし」です。全国放送テレビ番組のご当地グルメ企画で見事グランプリを受賞したことをきっかけに、一気に注目を集めました。
参照:いよ観ネット「新たな鯛めし誕生!東予の洋風焼き鯛めし」
愛媛産の真鯛を香ばしく焼き上げ、バターやソースを効かせた洋風スタイルのご飯と合わせていただきます。ドリア風やリゾット風、ライスピザ風、アクアパッツァ風など、お店ごとに個性豊かなアレンジを楽しむことができます。
現在は官民協業のもと、東予エリアの複数店舗が参画し、14店舗で販売が開始されています。新たな食文化として浸透・定着することで、愛媛県の食文化の多様性や魅力の発信、県産食材の消費拡大、観光プロモーションへと繋がっていくことへの期待が高まっています。
東予エリアに足を運んだ際は、愛媛の地域産業の魅力が詰まった洋風鯛めしを、是非食べてみてください!
参照:愛媛県HP「東予・洋風焼き鯛めし」
参照:フジテレビ「うまどりグランプリ」
愛媛県の令和8年度予算案からは、愛媛全体を活性化させたい、地域産業を発展させたいという強いビジョンを感じました。官民共創や最新デジタル技術・DX化を積極的に取り入れつつも、伝統ある愛媛の文化を守り、よりよい未来を目指して前向きに進んでいる姿が印象的です。
苦しい現状や課題は確かにあるものの、それを県全体で乗り越えていこうとするその原動力にあるのは、やはり愛媛地域への「愛」なのだと思います。愛ある県、愛媛県の未来に、胸は膨らむばかりです!