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他業界へのキャリアチェンジは可能か?「年齢ごとの期待値」と「スキルの伝え方」

こんにちは。リージェントの松本です。

日々、四国へのUIターン転職を希望される方々と面談を重ねる中で、「新しい業界に挑戦したいが、自分の年齢で通用するだろうか」「未経験の分野で、どのように自分の価値を伝えればよいのか」といったご相談をいただくことが少なくありません。

終身雇用が過去のものとなり、転職が一般的となった現代において、業界を越えたキャリアチェンジは決して珍しいことではありません。しかし、年齢によって求められる経験が異なることや、スキルの伝え方に工夫が必要な場面もあるなど、注意すべきポイントがあることも事実です。

年齢ごとに変化する企業からの期待値

かつて言われていた「転職35歳限界説」は、もはや過去の通説となり、労働人口の減少により売り手市場が続く現代では、年齢を問わずキャリアチェンジに挑戦することが可能です。

年齢に関して注意すべきなのは、企業が求職者に寄せる「期待値」が年代によって異なるという点です。本当の壁は年齢そのものではなく、この「期待値とのギャップ」にあります。この点を理解し、ご自身の年代ならではの強みを戦略的に活かすことが、キャリアチェンジ成功の鍵となります。

◆20代の戦略「ポテンシャルと学習意欲を武器にする」

企業は20代の候補者に対し、将来性や学習意欲、いわゆる「ポテンシャル」を重視する傾向があります。なぜその業界に興味を持ったのか、そしてそのために現在どのような自己学習(資格取得やオンライン講座の受講など)を行っているのかを具体的に示すことで、熱意と成長の可能性をアピールできます。

◆30代の戦略「経験を正しく伝え、即戦力であることを証明する」

30代になると、企業は「即戦力」としての貢献を期待するようになります。ポテンシャルに加えて、これまでの経験で培ったスキルが新しい業界でどのように活かせるのかを明確に示す必要があります。キャリアチェンジが「現職からの逃避」と受け取られないよう、「培った能力を新たなフィールドで発揮するための戦略的ステップ」であることを伝えることが重要です。

◆40代以降の戦略「企業がもつ課題を解決できることをアピールする」

40代・50代に求められるのは、単なる業務スキルだけではありません。チームを導くマネジメント能力、複雑な課題に対応できる専門性、そして企業が保有していない新規領域への知見なども求められます。特に中小企業の経営層に近いポジションでは、こうした経験や知識が高く評価されます。40代以降になると、「課題を解決できる人材かどうか」という観点で評価される傾向が強くなります。

あなたの「隠れた力」を表現する方法

異業種への転職において、重要な武器となるのが「ポータブルスキル」です。これは「業種や職種が変わっても通用する、持ち出し可能な能力」を指します。専門知識(テクニカルスキル)とは異なり、あらゆる環境で活用できる汎用的なビジネススキルのことです。

「自分にはアピールできるスキルがない」と思い込んでいる方も多く見受けられますが、実際には自身の経験を「ポータブルスキル」という共通言語に置き換えられていないだけ、というケースがほとんどです。日常業務で培った経験をポータブルスキルとして言い換えることで、自身の力を適切に表現できるようになります。

例えば、「顧客の課題を聞き、最適な商品を提案した」という営業職の経験は、「顧客ニーズの分析力」「課題解決提案力」といったポータブルスキルに言い換えることができます。

また、「生産ラインの進捗と品質を管理し、納期を守った」という生産管理の経験は、「プロセス管理能力」「計画遂行力」「責任感」と表現することで、他業界でも通用する力として伝えることができます。

このように言い換えたスキルを、職務経歴書や面接で具体的なエピソードとともに伝えることで、採用担当者はあなたの価値をより具体的にイメージできるようになります。その際、「どのような状況で(Situation)、どのような課題に対し(Task)、自らどう行動し(Action)、どんな結果を出したか(Result)」というSTARメソッドを意識すると、さらに説得力が増します。



自信を持って、次のキャリアの扉を開くために

四国は大都市に比べると求人数が限られているため、他業界へのキャリアチェンジを検討することで新たな可能性を拓けることがあります。また、既存の事業に新たな風を吹き込んでくれる異業種からの挑戦者を積極的に求めている企業も少なくありません。

実際に、キャリアの棚卸しを通じて自分でも気づかなかったポータブルスキルを発見し、四国の企業で新たなキャリアを築いた方も多くいらっしゃいます。他業界へのキャリアチェンジは、決して無謀な挑戦ではありません。むしろ、変化の激しい現代においては、自らの価値を再定義し、主体的にキャリアを築くための重要な戦略の一つです。

もしあなたが、ご自身のキャリアの可能性を信じ、四国という地で新たな一歩を踏み出したいとお考えであれば、ぜひ一度、私たちにご相談ください。あなたのキャリアと人生に寄り添い、最適な道筋を共に見つけ出していきたいと考えています。


筆者プロフィール

国家資格キャリアコンサルタント

松本 俊介Matsumoto Shunsuke

香川県高松市出身。大学卒業後、住宅メーカーへ入社。その後、株式会社リクルートへ転職し、ブライダル領域にて結婚式場の集客最大化に向けた提案営業に従事。鳥取県・島根県のエリアリーダーとしてマーケット拡大に向け戦略を設計推進。2017年にUターンし、自身の経験から「暮らしたいところで思い切り働く」という想いに共感し株式会社リージェントへ入社。現在は娘2人、息子1人の三児のパパ。オフも子どもたちと遊ぶのが一番という子煩悩な面も。