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「いつか」を「いま」に変えるために必要な、たった一つのこととは。

みなさん、こんにちは!リージェントの武市です。

吊り革すら掴めない満員電車に揺られながら、地元でイキイキと活動する友人のSNSを見て悶々とする…
かつての私には「いつか高知のための仕事がしたい」という想いを持ちながらも、東京での面白い仕事を辞める決意ができずにいた時期があります。

「いつか地元に帰って暮らしたい」という漠然とした地方移住への憧れを、一度は感じたことがある方も多いのではないでしょうか。
しかし、日々の忙しさの中で、その「いつか」は、気づけば5年、10年と遠のいてはいませんか?

四国へのU・Iターン転職を専門とする私たちのところには、「そう思いながらもなかなか踏ん切りがつかなくて…」というご相談も多く寄せられます。
この記事では、実際にU・Iターン転職した方や私自身の経験も踏まえ、その一歩を踏み出すために本当に必要だった、たった一つのことについてお話しします。

なぜ一歩を踏み出せないのか?:「理想」を追い求めすぎてしまうから

ところで、「全てが叶う理想の職場」は本当にあるのでしょうか?

転職で実現したいことを思い浮かべると、仕事内容や職場の人間関係、役職、給与、その土地での暮らし、家族との時間…あらゆる項目が出てくるのではないでしょうか。
最終的にそうなる可能性はあるとしても、最初から全てが揃った職場を探すのは至難の業と言えるでしょう。

実は、これら全てを追い求めすぎてしまうことが、身動きを取れなくする要因の一つと言えます。

一方で、在りたい姿のイメージを持つことはとても大切です。全てを洗い出して整理してみることで、これまで見えていなかった新たな気づきがあることも申し添えておきます。
例えば、今の環境のままでもいずれ叶うことや、ご自身の働きかけ次第で変えられることがあるかもしれません。その場合、転職をしないという選択肢も出てきます。
また全体を俯瞰すると、こだわりたいと思っていたことが実は些細なことで、もっと譲れないことがあったという発見があるかもしれません。

重要なのは、全てを叶えようとするのではなく、全てを把握したうえで優先順位を付けるということです。

「たった一つのこと」とは?:譲れない軸を覚悟を持って決めること

「全て」を手に入れようとするのではなく、それぞれに優先順位を付けて「これだけは絶対に譲れない」という軸を覚悟を持って決める。
「覚悟を持って」という言葉を使ったのは、ただ優先順位を付けるだけでは最終局面であれもこれもとなってしまい、結局決められないケースがあるからです。ここさえ叶えば他は諦めてもいい、自分自身がそう納得するまで考えるプロセスが、U・Iターン転職を叶えるために非常に重要なことだと言えます。

ではその譲れない軸とは何なのか。
この軸は人それぞれ異なりますので、いくつかの事例を挙げてみたいと思います。

まず私の場合は、「高知のためになる仕事ができるかどうか」でした。
冒頭でお伝えしたとおり、当時の東京での仕事は人にも恵まれ、熱中できる仕事でした。年次が上がり、後輩育成や大事なプロジェクトを任され始めたタイミング。忙しさや目標を追い続けることへの疲れは感じていたものの、それだけで辞める決断とはなりません。

一方で、自分の故郷から人が減っていく事実を知りながら、廃れてゆくのを外野でただ見ていたくはない。それが高知へのUターンを考える大きな理由でした。そのため、高知で暮らせたとしても高知との関わりが薄い仕事をするイメージは正直持つことができませんでした。
この軸に覚悟を持てた時、給与や勤務地といった他の条件の優先順位を下げる決意ができ、まさに「いま」動くことができたのです。

続いて、転職をサポートさせていただいた方々の軸も少しご紹介させていただきます。

<「家業への想い」に立ち返り、やりがいとUターンを両立させたAさん>

同郷のパートナーとの結婚を機に、香川県へのUターンを検討していたAさん。
前職のベンチャー企業での仕事にもやりがいを感じ、フレキシブルな働き方や給与にも満足していたため、前職をリモートで続けながら香川へ戻るのか、香川で転職するのかを決めかねていました。

転職活動の中で、なぜ地方の活性化に携わりたいか(実際に携わってきたか)を振り返った時、「魅力的な商品でありながら、広くは知られていない家業を発信力で支えたかった」という原点に立ち戻り、前職への未練を断ち切って転職を決断されました。
給与は前職時より下がったものの、入社後はさっそく四国中を回り、新たな顧客開拓でスキルを発揮されています。



<「心身の安定」を軸に、腰を据えて働ける環境を選んだBさん>

前職は異動による業務と人の入れ替わりが激しく、腰を据えてスキルを積み上げていきたいBさんは、自身の志向とのギャップを感じていました。そのため、地元・徳島県へのUターンも視野に転職活動を行っていました。一方で、前職の仕事内容や人間関係に大きな不満はなく、転職を決めかねているご様子も窺えました。

数回の面談を通じて、近々他エリアへの異動が確定的であることや、環境変化が体調に影響しやすく、頼れる人が周りに居た方が安心して働けることなど、仕事面でも生活面でも、徳島に居る方が良いと明確になったことで、転職を決断されました。
前職よりも会社規模や事業規模は小さくなりましたが、人も仕事も落ち着いた環境の中で着実にスキルを伸ばし、活躍されています。



譲れない軸は人それぞれです。完璧な答えを出す必要はありませんし、一つではないかもしれません。
しかし、考えるプロセスの中で言葉にできたその価値観こそが、「いつか」を「いま」に変えるために必要な鍵となります。

あなたの譲れない軸を見つけるための「作戦会議」。私と一緒に始めてみませんか。


筆者プロフィール

コンサルタント

武市 理佐Takechi Risa

高知県高知市出身。新卒で東京の求人広告会社(リクルートトップパートナー)に入社し、東京都港区を中心に、メーカー・不動産・IT・広告など多岐にわたる業界の大手上場企業からベンチャー企業までを対象に、新卒および中途採用の支援に従事。2017年、「地元・高知のための仕事がしたい」という思いからUターン。大学法人および県庁にて、地域連携や産学官民連携事業に携わる。学生の就職支援や経営者を対象としたビジネスセミナーの企画・運営を通じて、高知で働く魅力創出に尽力。リージェント入社後は、四国全体の地域活性化を目指し、四国へのU・Iターンを希望する求職者に対してキャリア相談や転職支援を行い、四国とのご縁を結んでいる。