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「入社時点の年収だけで判断しない」 後悔しないためのUターン転職・Iターン転職の進め方とポイント

今回は転職を考える時に気になる要素の一つである「年収」をテーマにお伝えします。まず、これまで弊社が転職支援をさせていただいた実績のうち、最も多い年代である30代・40代の方について、四国へUIターン転職された方の年収変化を見てみると、平均で約2割の減少となっています。

(※各エリアの年収変化の詳細については、以下ブログをご参照ください。)
【香川】:香川へのUターン・Iターン転職者の年収変化の実態。香川での生活とは。
【愛媛】:都心部から愛媛県へUターン・Iターン転職した際の年収変化
【徳島】:都心部から徳島へのUターン・Iターン転職の際の年収変化・暮らしについて

もちろん、中には年収アップを実現された方もいらっしゃるのですが、この数字だけを見ると「年収が下がるので難しい…」と考えてしまうかもしれません。では、実際に四国へのUIターン転職を成功させている方は、年収についてどのように判断をされているのでしょうか。転職事例を交えながら、探っていきたいと思います。

最低希望年収を明確にする

一人暮らしの方も、ご家族がいる方も、住居費や保険料など毎月必ず一定の金額でかかる固定費と毎月の食費や交際費、医療費などの変動費を把握し、「最低どのくらいの年収が必要なのか」を明確にしていきます。その他、貯金したい額も含めて総合的に考え、「〇万円以上はほしい」という年収の許容範囲を決めておくことが重要です。

企業の福利厚生や自治体の支援制度を知る

企業によっては社宅貸与や借上げ社宅制度など住宅に関する手当の支給があったり、その他、育児・介護費用の補助の支給など、転職先の福利厚生により固定費が削減できるケースもあります。その他、各自治体が実施している移住者支援や子育て支援を利用できる場合は、一時的な支出を補えることもあります。このように、年収以外の福利厚生や自治体の支援によりメリットになる要素も考慮しておきます。

その他、弊社では、自治体による暮らしの支援や四国でのライフスタイルについて、UIターン転職をお考えの際に役立つ情報ページを公開していますので、暮らし方のイメージをしていただく際にご参照ください。
UIターン転職に役立つブログリンク集「四国の暮らし」

さて、ここからは実際に転職活動をして、企業から内定を受けた際の提示年収についての考え方についてお伝えします。

内定先企業の提示年収の根拠を考える

一般的に現年収は、入社時から今まで貢献してきた実績をもとに計算された額であり、内定先企業ではまだ実績がないため、経験に対する期待や、社内の同年代の社員との整合性がとれる額で計算されると思います。そうなると、期待はされていてもまだ実績がないことや、製品知識や仕事の進め方などを一から学ぶ必要があれば、入社時に一旦年収が下がってしまうケースがあることは理解できると思います。

その他、例えば現職で管理職であったとしても、内定先企業でまずは一般職やリーダーからスタートすることになればその分年収も下がることがあります。もちろん、同業界や同職種でこれまでのキャリアがそのまま活かされる場合など、現年収と同額以上の提示が期待できるケースもあります。

中長期的な年収推移を確認する

入社時の年収だけで判断するのではなく、入社後どのように年収がアップしていくのか、内定先の人事評価制度や、既存社員の役職ごとの年収例をもとに昇給ペースや年収推移を確認することで将来の年収をイメージしやすくなります。入社時の年収はあくまでもスタート地点ですので、これからどのように頑張り、会社に貢献することで年収UPを目指せるかを確認していくことで将来設計も立てやすくなります。



年収以外の転職の目的に立ち返る

そもそもの転職の目的が「年収UP」だけであれば、入社時点の年収が重要な判断基準になると思いますが、「年収以外」にある場合は、転職により叶える目的を明確にしておくことが重要です。

例えば、以下のような目的です。

「子どもが小学校に上がる前に地元に帰る」
「Uターンして、両親の近くに住むことでお互いに支えあう」
「転勤があり単身赴任を繰り返した生活から、家族と住んで一つの場所で定着して働く」
「未経験職種にチャレンジする」
「クライアントワークの経験を活かして、事業会社で活躍する」

特に、内定先からの提示年収が現在より下がってしまった時に、年収だけにとらわれてしまい、転職の目的を忘れて決断ができなくなることがあります。一番良いのは、上記でお伝えした「最低希望年収」と「転職の目的」を転職活動前にイメージしておくことです。これらがイメージできていれば、内定を受けた時に決断しやすいのではないかと思います。弊社では、四国で転職をする際の年収の相場観や、企業の福利厚生などの情報提供はもちろんのこと、「なぜ転職をしたいのか」という転職の目的を一緒に整理するところからご支援をさせていただいています。

キャリアは仕事だけでなく、自分の時間、ライフイベントや家族などを含めた人生そのもの。年収と同じくらい大事なものでもあり、お金に変えられない価値もあります。あなたがこれからのキャリアプランで重視したいもの、叶えたいものは何でしょうか。お聞かせいただけるのを楽しみにしています。


筆者プロフィール

国家資格キャリアコンサルタント

溝渕 愛子Mizobuchi Aiko

高知県高知市出身。大学卒業後、総合リース会社に就職。地元の高知支店に配属されリース営業に従事。その後、大阪に転居し、株式会社リクルートに入社。HRカンパニー関西営業部の新卒・キャリア採用領域で企業の採用活動をサポート。また、派遣領域では関西・中四国エリアの派遣会社への渉外業務に従事。四国へのUターンを決意してリクルートを退職。香川県の人材サービス企業に転職し、管理部門にて、社員の労務管理、新卒採用活動に従事。その後、株式会社リージェントに入社。今ハマっているのは、限られた自由な時間を有意義に過ごすこと。1日にジャンルの異なる数冊の本を、少しずつ読むことを楽しんでいる。