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UIターン前に知りたい香川の暮らし【医療施設編】

こんにちは。四国の転職エージェント、リージェントの井上です。

地方へのUIターンを考える時の気になる事柄のひとつとして、医療体制の充実度があげられるのではないでしょうか。

UIターンを検討されている方は、老後も長くその地に住みたいという希望を持って移住されるのではないかと思われますが、年齢と共に医療機関にお世話になることが増えてくることを考えると、移住するエリアの医療体制がどの程度整備されているのか、事前に把握しておきたいですよね。

そこで今回は、四国エリアの中でも香川県にクローズアップして医療体制の現状をご紹介できればと思います。

香川県の医療施設分布から見る医療体制

まずは香川県の診療所数から見ていきましょう。以下の分布図を見てもわかるように、香川県は県内全域にわたり比較的診療所が分散していることが特徴です。また病床数も比較的多く、豊富な医療資源に恵まれたエリアであると言えます。



出典:「第八次香川県保健医療計画」香川県 健康福祉部医務国保課(令和4年10月1日)

一方、総合病院に関しては高松市に集中しており、特に東讃エリア(東かがわ市、さぬき市)の急性期医療については、県庁所在地である高松市周辺の総合病院に頼る部分も少なくありません。

しかし、香川県は日本で最も面積の小さな県であり、瀬戸内の離島を除いて県内のアクセスは非常に良い為、短時間の救急搬送が可能となっています(救急自動車搬送所要時間全国12位)。また、中讃・西讃エリアには高機能病院や地域の基幹病院が複数あり、高松市に依存することない医療体制が整っています(救急病院数全国7位)。



出典:「第八次香川県保健医療計画」香川県 健康福祉部医務国保課(令和4年10月1日)

香川県の医師数から見る医療体制



次に、医師の人数という観点で香川県の医療体制について見てみましょう。

※下記データは「令和2(2020)年医療施設調査・病院報告/厚生労働省」及び「令和2(2020)年医師・歯科医師・薬剤師統計/厚生労働省」を参考に作成しています。全て人口10万人当たりで換算した人数比較となります。

< 医療施設に従事する医師の数 >



香川県内の医師の数は全国平均よりも上回っており、地方の中でも比較的医療体制が充実しているエリアであることが窺えます。

全国的にも医師不足が課題になっていますが、香川県では香川大学医学部や各医療機関と連携しながら医師確保対策に取り組んでおり、医療体制の改善に向けて努力しています。

< 医療施設に従事する外科専門医の数 >



様々な医療の中でも最後の砦として位置付けられている外科治療。そんな重要な役割を担う外科専門医の数は全国平均よりもやや上回っており、移住地としては問題ないレベルの医療体制が整っていると考えられます。

< 医療施設に従事する歯科医師の数 >



定年後のセカンドライフで度々お世話になることが予想されるのが歯科診療所。歯の不調が発生した時に、すぐに歯科医にかかれる環境であるかどうかも医療環境を見る上で重要な要素です。

上記データによると、香川県の歯科医師の数は全国平均よりもやや下回っており、歯科診療体制としては少し不安を感じる方もいるかもしれません。

ただ、香川県高松市に居住している私の実感値としては、特に問題なく生活できるレベルだという印象です。私自身、歯科医が少なくて通院しにくいという経験は未だありませんし、周囲を見渡しても歯科医不足で困っているという話は聞いたことがありません。現状としては、問題なく通院できるレベルと言えるでしょう。

< 医療施設に従事する小児科医師の数 >



子育て世代のUIターンで気になるのが、小児医療体制ではないでしょうか。上記データからわかるように、香川県の小児科医の数は比較的充実しており、子育て環境としては問題ないレベルであることが窺えます。

小さな子供は風邪を引いたりケガをすることが多く、頻繁に病院にかかることが予測されます。特に持病があるようなお子様がいる場合は、引っ越し前に余裕を持って事前に小児科を下調べしておいた方が安心かもしれませんね。

我が家も過去に引っ越しの場面がありましたが、子供に小児喘息があったので、転居先で通院したい小児科の情報収集を事前に行った経験があります。転居後は早めにかかりつけ医となる小児科に顔を出し、予防薬の処方依頼と発作時の対処法について再確認しに行きました。転居の際は、引っ越し作業や各種手続きなどでなかなか頭が回らないかもしれませんが、かかりつけ医の選定も優先順位を上げて行うことをお勧めします。

< 医療施設に従事する産婦人科医師の数 >



結婚・妊娠を機に四国へのUIターンを考え始めたという方は、産婦人科の診療体制についても気になりますよね。上記データからわかるように、香川県の産婦人科医の数は全国平均よりも若干上回っており、出産を考える環境としては問題ないことが窺えます。

早産、妊娠高血圧症候群、子宮頸管無力症、多胎妊娠、高齢出産などのハイリスク出産にも対応できるNICU付き総合病院も県内に3ヶ所(以下参照)あり、難しい出産に対応できる医療施設が点在しています。

【NICU付き総合病院】
国立病院機構四国こどもとおとなの医療センター(善通寺市)
香川大学医学部附属病院(木田郡三木町)
高松赤十字病院(高松市)

また、数は少ないですが無痛分娩を実施している産婦人科やアットホームな空間で出産をすることができる助産院などもあり、多様な分娩方法の中から自分に最も適した出産を選択することもできます。

全国初のITによる医療連携「かがわ医療情報ネットワーク」



香川県は、地域医療連携のICT化を全国に先駆けてスタートさせたことで注目されている県であることをご存知でしょうか?

これは「かがわ医療情報ネットワーク(K-MIX R)」と呼ばれ、香川県内の医療関連施設を情報ネットワークで繋ぎ、医療情報を相互に共有することによって、質の高い医療サービスを実現することができる取り組みになります。

少し内容をご紹介すると、「遠隔読影システム」というものは、CTやMRI、健康診断のレントゲンなどで撮影される画像を、かかりつけ医と読影専門の放射線診断医の間で場所を問わず連携確認できるシステムです。これにより、今まで以上に迅速で質の高い診断を身近にすることができるようになったそうです。

「地方だから医療が遅れている」と思われがちですが、不便があるからこそ改善への取り組みが積極的に行われており、結果として香川県は医療連携のICT化が加速したのだと思います。都会と比較すると医療施設の充実度や提供される医療の質に不安がないとは言い切れませんが、香川県はITの力でその医療格差を埋めているといっても過言ではないでしょう。

最後に

香川県は衣食住のどの観点から見てもバランスが良く住みやすい環境であることは以前から実感していましたが、今回ブログを書くにあたって香川の医療体制を調査し、地方の中でも比較的高水準の医療サービスを受けられるエリアであることを再発見しました。

ただ、ご自身の体調やご家族の状況によって、この環境が充実しているか否かの捉え方は変わると思います。香川県での移住を検討される際には、ご自身に適した医療サービスが受けられるかという観点で、5年後、10年後、その先の未来を想像してもらいたいと思います。

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