INTERVIEW2024.6.24

愛媛にも、世界に誇れるスケールの大きな仕事はある。ー住友金属鉱山(株)・影浦氏、山田氏ー

INTERVIEW2024.6.24

愛媛にも、世界に誇れるスケールの大きな仕事はある。ー住友金属鉱山(株)・影浦氏、山田氏ー

資源・製錬・材料の3事業連携により、資源開発から金属製錬、電池材料、機能性材料の生産までを一貫して行うという世界的にもユニークなモデルで事業を展開する住友金属鉱山(株)。同社にとって愛媛は創業と関連の深い地であり、製造拠点としても重要な地位を占めています。そんな住友金属鉱山にUターン転職したのが影浦氏と山田氏です。カーボンニュートラルという課題の解決に寄与できる電池材料の開発・製造に意欲的に取り組むお二人に、「四国ならではの働く価値」についてお聞きしました。

グローバルな製品づくりに関わってみたい、と転職を志向。


松本
お二人のこれまでのプロフィールをお聞かせください。
影浦
以前はガラス瓶や飲料用のペットボトルキャップといった食品用の包装容器を製造する会社に勤めていました。担当した業務は品質管理です。基準を満たす容器を作るための製造法を提案したり、顧客から不備を指摘された場合は原因を究明し改善の方法を検討する、といった仕事です。工場は関東を中心に全国各地にありましたので2~3年で転勤していましたが、業務は一貫して品質に関わっていました。
山田
私は工場用ガス警報器のメーカーに勤めていました。工場では様々な工業用ガスを使用しています。ガスの種類が異なると検知する方法も変わるため新たな警報器が必要になります。埼玉で、これらの製品開発と品質の評価に携わっていました。
松本
なぜ転職を考えるようになったのですか?
影浦
一つは「もっと、さまざまな製品にチャレンジしたい」という想いが湧いてきたことです。ずっとガラス瓶やボトルキャップばかりだったので、もう少し多様な製品、グローバルに展開するような製品に関わってみたいと考えるようになりました。
もう一つは、長男ですので実家がある伊予市の近隣エリアで暮らしたいと考えていました。家族に何かあっても、関東で勤務していては、すぐ駆けつけられませんから。
山田
ガス警報器は「鳴らないのが前提」であり、表に出るものではありません。重要性はよくわかっているものの、もっと社会への影響力を感じられる製品を扱いたい、と思うようになったのが大きいですね。
また、出身が松山市なので、家族もそうですし友人も愛媛にたくさんいます。将来を考えると愛媛に戻っておきたいと考えるようになりました。


松本
転職活動は具体的にどのように進めていったのですか?
影浦
四国の転職情報を豊富に持つ転職サイトはないか…と検索したところ、リージェントを見つけました。すぐに登録してオンラインセミナーに参加しました。四国以外への転職は考えなかったので他のサイトには登録していません。
山田
私は中四国の瀬戸内圏にエリアを絞り、リージェントを含め、いくつかの転職サイトに登録しました。瀬戸内圏ならどこであれ、埼玉よりは地元に近いですし、釣りが趣味なので海が近いところがいいとも考えていました。

電池材料の開発・製造で、社会課題の解決に寄与したい。


松本
現在のお仕事について教えてください。
影浦
私は電池材料事業本部で品質管理を担当しています。私のセクションではハイブリッド車(HEV)や電気自動車(EV)に搭載されるリチウムイオン電池の正極材や、スマートフォンに搭載される積層セラミックコンデンサ用の粉末材料を製造しています。特にHEVやEVの材料は高温環境に耐えるだけの性能が必要です。その要求に合った製品になっているかどうか管理し、製造法の改善にも関わっています。
前職と扱う製品は異なりますが品質管理の経験は活用できる部分が多いですね。前職の経験を踏まえ、「ここをこうしたらもっとよくなるんじゃないか」という部分も見えてきました。風通しもよく意見が言いやすい環境ですので、提言の機会があればアイデアを出していきたいと思います。
山田
私は技術本部の電池研究所でリチウムイオン電池の正極材開発に関わっています。今は入社したばかりなので、製造現場などを回り基礎知識を習得している段階です。正極材の品質を決めるには様々なパラメータがあり、僅かな変化が製品の出来に大きな影響を与えます。研究は機械学習などを活用して行いますが、私はまだキャリアが浅いので基本知識の吸収から始めないといけません。周囲の方々も理解してくれていて、万全の教育体制を敷いてもらっています。
松本
住友金属鉱山は400年以上の歴史を持つ世界でも有数の企業の一つですが、特徴や強みについて、お二人はどのように感じておられますか?
影浦
製品の多種多様さに圧倒されますね。当社の生み出す銅やニッケルなどの非鉄金属はインフラや産業機械、建設資材などを支える重要な素材です。また、車の電動化やデジタル社会の発展に欠かせない電池材料、機能性材料も世の中に送り出しています。そして、それぞれの製品に対する品質管理の意識が非常に高いです。品質管理のメンバー全員が高い使命感を持って仕事に臨んでいることがひしひしと伝わってきます。
品質管理は製造現場の方と話す機会も多いのですが、入社して間もない私ともフランクに接してくれますし、とても前向きです。世界の非鉄リーダーを目指す会社で働くことに、皆さん誇りを持たれているように感じます。
山田
資源・製錬・材料の3事業連携により資源確保から高機能材料の開発・製造までをワンストップで行える点は、世界的にも珍しく競合優位性が高いのではないでしょうか。自分たちが素材を保有していることで様々な製品の開発につなげることができるのですから。また、社内の方と一緒に働いていると、新しい技術を取り込もうとする意欲が強いことに驚きます。技術者として成長できる環境であることも、良い製品をつくる上で重要な要素になっていると感じます。


松本
電池材料は世界的にも需要が高く、さらなる技術向上が求められる分野でもあります。そんな分野で働くことについては、どう感じますか。
影浦
ヨーロッパでは2035年に電気自動車が義務化となり、その流れは他の地域でも広がっていくことが予想されます。そのため、電気自動車で使用される電池材料の需要はますます高まっていくでしょう。また、自社製品を通じて環境にも貢献できる社会的影響度も高いため、そうした製品に関われることに大きなやりがいと責任を感じます。
山田
持続可能な社会を形成する上でカーボンニュートラルは避けて通れません。その難問の解決に寄与する製品を担当できることに深い意義を感じます。良い製品ができれば、自動車をはじめ、様々な形で私たちの生活にも還元されるでしょう。
影浦
生まれ育った愛媛で、そうした製品の開発・製造に関わっていけるというのも嬉しいですね。住友金属鉱山にとって愛媛は、創業と深く関わりのある地です。400年という長い歴史の中で培った技術の蓄積と、グローバルトップを目指せる自社製品を持った企業が地元にあるのだから、ここでしっかり役割を果たしたいと思います。
山田
車載電池向けニッケル系正極材ではハイニッケル化が求められています。その状況を見据え、2025年の操業開始を目指してニッケル系正極材の新工場建築も進んでいます。月産2,000トンの正極材を作り出す工場が立ち上がると、開発・製造拠点としての愛媛の重要度はさらに増すでしょう。別子事業所は開発だけでなく、品質や生産技術など優秀な技術者が多く活躍しているため、私自身もこれから事業に貢献できるようにもっと成長しなければなりません。

地元にUターンして、プライベートな時間が増えた。


松本
お二人が住友金属鉱山を転職先に決めたポイントは何でしたか。


影浦
電池材料や機能性材料など、当社のつくる製品はどれも社会的な問題の解決に直結するものばかりです。そういった製品をグローバルに展開している、という点が決め手でした。また、給与や社宅、福利厚生面も充実しており、家族を持つ立場として安心できる環境であったことも大きな要因です。
山田
会社の規模が大きいこと、最先端の材料開発に携われること、待遇面、いずれも文句のつけようがありませんでした。私は独身寮に暮らしていますが、寮は新築でとても綺麗なのに寮費が安くてありがたいです。以前は関東に住んでいましたので帰省のための交通費もかなりかかっていましたが、今はそうした費用も必要ありません。
影浦
仕事については取り扱う製品が前職と全く違っていて面白いです。大企業との取引も多く、著名な会社とやり取りできる点も刺激的ですね。そういう企業ほど要求レベルが高く、ご満足いただくのは大変なのですが。お客さまの求めるレベルをクリアしようと努力することが、自身の成長にもつながると思っています。
山田
前職と業務内容が変わったため毎日覚えることばかりですが、それが楽しいです。自分たちの作る電池材料が、いずれは私自身の乗る車に搭載されることもあるでしょう。その日を待ち遠しく思います。
松本
スキルアップの環境などについてはいかがですか?
影浦
研修の機会が多いですね。社内でしっかりプログラムが組まれていて、人数に余裕があれば希望通りに参加できます。私も品質管理や危険予測に関するいくつかの研修に参加しました。別業界から転職した私にとって、非常に助かる制度だと感じています。


山田
eラーニングのメニューも豊富で自分の意欲に従って学ぶことができます。eラーニングによる個人学習と、大勢が集まったセミナーなどを組み合わせたら、かなり力を伸ばせると感じます。希望すれば外部のセミナーに参加もできるので、私も積極的に活用しようと思います。
松本
生活面での変化はどうでしょうか。
影浦
実家のある中予エリアとは多少離れていますが、車で1時間もあれば行き来できる距離ですので、定期的に足を運ぶようになりました。
平日は家に帰る時間が早くなりましたね。定時退社だと17時には家に着くので自由時間が増えました。その時間は趣味に使ったり、家族と過ごしたりしています。
自宅の近くにショッピングモールがあり、普段の生活に困ることもありません。大都市圏に比べると不便さもありますが、物足りなさは感じないですね。
山田
私も帰宅時間が早くなりました。土日も含め、プライベートの時間はかなり充実しています。趣味の釣りも楽しめますし、友人が多く暮らしている松山にも毎週のように行っています。

気候も人も穏やかで、手応えのある仕事もある。


松本
リージェントは事業を通じて「四国ならではの働く価値」を見出し、四国への転職を志向する方々へお届けしたいと思って日々努力を重ねています。お二人は「四国ならではの働く価値」について、どのようにお考えでしょうか。
影浦
都市部と比べると地方はいろんな意味で穏やかに時が流れます。だから無理に急かされることが少ないというのが良い面ではないでしょうか。住友金属鉱山という会社自体の風土の影響も大きいとは思いますが、私は今、余裕を持って仕事を進められています。周りの人たちも温かいし、ゆとりのある環境とはいいものだな、と感じます。
山田
愛媛は気候も穏やかですよね。毎日がせかせかしていないのは、そういった地域の風土や文化の影響もあるのかもしれません。転職でこちらに戻ってきて、周囲のみんなが慣れ親しんだ方言で話しかけてくれるというのは、なんとも味わい深いものです。地元を離れ長く関東で働いていましたので、余計にそう感じます。


影浦
都会から地方に来ると仕事のスケールが小さくなる、と思う方もいるかもしれません。しかし、私に関しては全く逆。むしろ、スケールが大きくなりました。「地方だから」「都会だから」という固定概念を一度取り払ってみるといいかもしれません。
山田
「いずれ地元に戻りたい」という気持ちがあるなら、「いずれ」とは言わず早めに準備した方がいいということを、今回の転職活動で学んだように思います。一つの業界で長くやっていると、その業界・分野でのスキルは深まるけれど、いざ転職しようと考えた時、スキルの転用が難しくなってしまうことも考えられます。地元にどんな可能性があるのか、リサーチは早めに始めておいた方がいいと思います。
松本
地元に戻り、やりがいのある仕事に就きイキイキされているお二人の話をお聞きし、私も元気づけられる気がします。お二人のような方を少しでも四国に増やせるよう私も頑張っていきます。
今日はお忙しいところ、どうもありがとうございました。

影浦 尚幸

住友金属鉱山(株)電池材料事業本部 磯浦工場 粉体材料課

愛媛県伊予市出身。大学院を修了し、関西圏に本社を置く食品包装容器のメーカーに就職。入社以来、品質保証・品質管理にて品質チェック、クレームなどの顧客対応、ISO維持管理、監査対応などを担当し、転勤にて複数の工場を経験する。2023年8月、住友金属鉱山に転職。電池材料事業本部にて品質管理に携わっている。

山田 晃平

住友金属鉱山(株)技術本部 電池研究所

愛媛県松山市出身。大学院を修了し、工場用ガス警報器メーカーに就職。埼玉の工場にて、既存製品を新たなガス基準に改良するための開発業務、様々な環境下での性能検査、評価データの分析など、製品開発、改良研究に従事する。2023年10月、住友金属鉱山に転職。技術本部の電池研究所にて、新製品の研究開発に携わっている。

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